メチルマロン酸血症の寿命はどれくらいですか?

病型や発症時期、治療状況により大きく異なり、早期発症の重症例は予後不良とされています。

メチルマロン酸血症の寿命の見通しについて、病型や発症時期の違い、重症化時の合併症、治療の影響を整理します。

メチルマロン酸血症とは

メチルマロン酸血症は、タンパク質を分解する際に働く酵素の働きが低下し、メチルマロン酸という物質が体にたまる先天性の代謝異常症です(小児慢性特定疾病情報センター)。ビタミンB12を補うと症状が改善する型(cblA・cblB等)と、酵素そのものに異常があり改善しにくい型(MCM欠損症)があります(日本小児科学会ガイドライン)。

メチルマロン酸血症の症状

新生児期発症の重症例では、急性代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾く状態)による症状が現れ、対応が遅れると命に関わることもあります。遅発例は、新生児期より後に同様の症状で気づかれる病型です(小児慢性特定疾病情報センター)。

  • 嘔吐・哺乳不良
  • けいれん・意識障害
  • 成長・発達の遅れ

メチルマロン酸血症の予後は病型や発症時期で異なる

メチルマロン酸血症の寿命の見通しは、ビタミンB12治療が効く型かどうか、発症時期、治療開始の早さによって大きく異なります。新生児期発症の重症例は予後(病気の見通し)が不良とされる一方、B12反応型では内服治療で状態が安定する例もあります(日本小児科学会ガイドライン、国立健康危機管理研究機構)。遅発例も治療が遅れると障がいが残るリスクが高まるとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。国内の調査報告では、B12反応型の死亡率は5%程度である一方、B12無反応型の重症例では、薬物療法や食事療法だけでは改善は望めず、発症後2年半以降での死亡率が58.8%に達していました。

メチルマロン酸血症が重症化するとどうなる?

重症化すると、腎臓の働きが徐々に低下し、長期生存例における最も重大な問題のひとつとして末期腎不全(腎臓の働きがほとんど失われた状態)に至ることがあるとされています(難病情報センター、国立健康危機管理研究機構)。新生児期発症の重症例では、急性期に重篤な障害(精神運動発達の遅れなど)を残すことが少なくないとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。

メチルマロン酸血症の治療

治療の中心は、タンパク質摂取を調整する食事療法(タンパク制限食)と、L-カルニチンやビタミンB12の補充です。重症例では肝移植が検討されますが、移植後もアシドーシス発作や大脳基底核(脳の一部)の異常が現れる例が報告されています(日本小児科学会ガイドライン)。肝移植後も腎機能の低下(腎組織の障害)は進行し、末期腎不全に至る例が報告されており、腎移植が検討されることもあります(難病情報センター)。気になる症状がある場合は、医療機関への受診をご検討ください。

メチルマロン酸血症について、特に知りたいことは何ですか?

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関連する病気と症状

(参考文献)

日本小児科学会「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関するガイド:メチルマロン酸血症」(文責:日本先天代謝異常学会移行期医療委員会、2024年1月30日掲載)https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240130_GL063.pdf,(参照 2026-10-15).
難病情報センター『メチルマロン酸血症(指定難病246)』https://www.nanbyou.or.jp/entry/4860,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター『メチルマロン酸血症 概要』https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
Japan Institute for Health Security(国立健康危機管理研究機構).“MGenReviews『メチルマロン酸血症』”..https://mgen.jihs.go.jp/disease/60,(参照 2026-10-15).

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  4. 公開

埼玉医科大学総合医療センター 小児科

井上 信明 監修

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