メチルマロン酸血症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
タンパク質制限食の継続と、感染症・絶食時の異化亢進を避けることが日常生活の基本です。
メチルマロン酸血症のある方が、日常生活で意識したい食事管理・体調不良時の対応・受診のタイミングを順に整理します。
メチルマロン酸血症のタンパク質制限食
慢性期の管理では、特殊ミルク(タンパク質の一部を調整した治療用ミルク)を併用しながら自然のタンパク質摂取量を制限する食事療法(タンパク質制限食)を継続することが基本とされています(小児慢性特定疾病情報センター)。
成人期以降も食事療法は続ける必要があり、飲酒は嘔気(吐き気)など体調不良の誘因となり急性増悪(症状が急に悪くなること)の危険を伴うため避け、過度な運動も体調悪化のきっかけになるため無理のない範囲にとどめることが望ましいとされています(日本先天代謝異常学会移行期医療委員会)。
メチルマロン酸血症で代謝クライシス(異化亢進)を防ぐには
代謝クライシスとは、体内でタンパク質などが分解される反応(異化)が急激に進み、体調が急に悪化する状態です。発熱を伴う感染症や長時間の絶食(栄養が入らない状態)が主な誘因とされています(難病情報センター)。
予防のため、日常生活では次の点に気をつけることが大切です(難病情報センター)。
- 家族全員の手洗い・うがいなど、感染症予防のための健康管理を行う
- 家族の予防接種を進め、感染症をもらう機会を減らす
- 低体温・高体温を避け、体温管理に気を付ける
- 睡眠不足や激しい運動を避ける
メチルマロン酸血症のシックデイ対応(体調不良時の注意点)
発熱・食欲低下・嘔吐などの体調不良(シックデイ)が起きたときは、異化亢進を抑えるためすみやかにタンパク質の摂取を中止し、代わりに高カロリーの糖分(ブドウ糖など)を補給することが基本とされています(日本先天代謝異常学会移行期医療委員会、小児慢性特定疾病情報センター)。
メチルマロン酸血症で医療機関への受診が必要なとき
定期的な受診・検査を継続すること自体も、日常生活で大切なポイントのひとつです。体調不良が長引く、シックデイ対応をしても改善しないと感じるときは、代謝クライシスに進む可能性があるため、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)概要”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター.“メチルマロン酸血症 概要”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
日本先天代謝異常学会移行期医療委員会.“小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関するガイド:メチルマロン酸血症”.日本小児科学会.https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240130_GL063.pdf,(参照 2026-10-15).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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