「メチルマロン酸血症」とはどのような病気ですか?
体内の有機酸を分解する酵素が働かず、メチルマロン酸という有毒物質が蓄積する先天性の代謝異常症です。
メチルマロン酸血症の原因・症状・治療について、順に整理して解説します。
メチルマロン酸血症とはどのような病気?
メチルマロン酸血症は、生まれつき代謝にかかわる酵素がうまく働かず、メチルマロン酸という有毒な有機酸が体内に蓄積し、さまざまな臓器に障害を及ぼす先天性代謝異常症です(難病情報センター)。
症状の重さは、残っている酵素の働きの程度によって個人差があります。新生児マススクリーニング(新生児の血液を使った先天性の病気の検査)の統計から、国内の発症頻度は約12万人に1人とされ、有機酸代謝異常症の中で国内最多とされています(難病情報センター)。
メチルマロン酸血症の原因
原因は大きく2つに分けられます(日本先天代謝異常学会 診断基準)。
- メチルマロニルCoAムターゼ(MCM、代謝に必要な酵素)そのものの働きが低下している場合
- ビタミンB12(MCMの働きを助ける補酵素のもとになるビタミン)の摂取・吸収・体内での利用に問題がある場合
いずれの場合も、メチルマロン酸を分解する経路がうまく働かなくなることで発症します。遺伝形式は常染色体劣性遺伝(両親から受け継いだ遺伝子の両方に変化がある場合に発症するタイプ)です(小児慢性特定疾病情報センター)。
メチルマロン酸血症の症状
代表的な症状は次のとおりです(小児慢性特定疾病情報センター、難病情報センター)。
- 新生児期〜乳児期の急性代謝不全:哺乳不良・嘔吐・呼吸障害など
- 中枢神経症状:精神運動発達遅滞(発達の遅れ)、不随意運動(意図しない体の動き)
- 腎機能の低下
症状の出方や重さは、原因となる酵素の働きの程度によって大きく異なります。
メチルマロン酸血症が重症化するとどうなる?
新生児期など早期に発症した重症例では、見通しが厳しいことが報告されています(難病情報センター)。長期的には腎機能の低下が問題となることが多く、長く生きる患者さんにとって重要な課題とされています(難病情報センター)。
メチルマロン酸血症の治療
治療は、原因や症状の程度に応じて選択されます(難病情報センター、小児慢性特定疾病情報センター、日本先天代謝異常学会 診断基準)。
- 食事療法:タンパク質を制限した食事
- L-カルニチンの投与
- ビタミンB12の投与(効果がある場合)
- 急性増悪時の輸液や血液浄化療法
体調不良やこれらの症状が気になる場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
メチルマロン酸血症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)概要”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)診断・治療指針”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4860,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター.“メチルマロン酸血症 概要”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
日本先天代謝異常学会 診断基準策定委員会.“メチルマロン酸血症 診断基準 2014年12月19日版”..http://jsimd.net/pdf/guideline/07_jsimd-Guideline_draft.pdf,(参照 2026-10-15).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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