メチルマロン酸血症には初期症状はありますか?
新生児マススクリーニングで無症状のうちに、または哺乳不良や嘔吐などで気づかれます。
メチルマロン酸血症の初期症状に気づくきっかけには、新生児マススクリーニングによる発見と、症状からの発見の両方があります。
メチルマロン酸血症とは
メチルマロン酸血症は、生まれつき代謝にかかわる酵素(メチルマロニルCoAムターゼなど)の働きに異常があり、有機酸の一種である「メチルマロン酸」が体内に蓄積される病気です(小児慢性特定疾病情報センター)。新生児マススクリーニング(タンデムマス法)の対象疾患のひとつで、およそ12万人に1人の割合で発症するとされています(難病情報センター)。
メチルマロン酸血症は新生児マススクリーニングでわかる?
メチルマロン酸血症は新生児マススクリーニング(生後5日目前後に実施)の対象疾患であり、症状が出る前に見つかることがあります(難病情報センター)。このように症状の出る前に発見されるケースは「発症前型」と呼ばれます。発症前型では、新生児期に低血糖や多呼吸など軽い所見が一時的にみられることもありますが、はっきりした症状がないまま見つかる場合が多いとされています(日本先天代謝異常学会)。
メチルマロン酸血症の初期症状に気づくきっかけ
マススクリーニングを経ずに気づかれる場合、初期症状の現れ方には次の2パターンがあるとされています(日本先天代謝異常学会)。
- 急性発症型:新生児期や乳児期に、哺乳不良・嘔吐・呼吸障害・筋緊張低下(体に力が入りにくい状態)など急な症状で気づかれる
- 慢性進行型:乳幼児期から食欲不振や繰り返す嘔吐がみられ、成長や発達の遅れから後になって気づかれる
メチルマロン酸血症の症状が重い場合の経過
重症例では、生後数日以内に哺乳ができなくなり、激しい嘔吐、体に力が入らない、呼吸が弱くなるといった症状が現れ、集中治療室での治療が必要になることがあります(難病情報センター)。これは急性発症型にあたり、哺乳によるタンパク質の摂取が始まる新生児期のほか、感染や経口摂取不良(食欲がわかず十分に食べられない状態)が引き金となる乳幼児期にも起こりやすいとされています(日本先天代謝異常学会)。
メチルマロン酸血症で症状が緩やかな場合の経過
一方で、成長障害や繰り返す嘔吐など、比較的緩やかな経過をたどって見つかる方もいます(難病情報センター)。このような慢性進行型では、症状がはっきりしないまま経過することもあるため、哺乳不良や嘔吐、体重が増えにくいといった様子が続くときは、医療機関への受診をご検討ください。
メチルマロン酸血症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン」メチルマロン酸血症の章.https://jsimd.net/pdf/newborn-mass-screening-disease-practice-guideline2019.pdf,(参照 2026-10-15).
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)概要”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター.“メチルマロン酸血症 概要”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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