メチルマロン酸血症の原因は何がありますか?
原因は、酵素(MCM)自体の異常か、その働きを補うビタミンB12の代謝異常で、いずれも遺伝性です。
メチルマロン酸血症の原因には、酵素の異常と酵素の働きを補うビタミンB12の代謝異常という2つの系統、および遺伝の仕組みがあり、それぞれ順に整理します。
メチルマロン酸血症の原因
メチルマロン酸血症は、「メチルマロニルCoA(MM-CoA)ムターゼ」という酵素の働きが低下し、体内にメチルマロン酸という有機酸が蓄積することで起こる病気です(難病情報センター、小児慢性特定疾病情報センター)。原因は大きく次の2系統に分けられます。
- 酵素そのものの異常: ムターゼ(酵素)自体に異常があるタイプ(MCM欠損症)
- 補酵素の代謝異常: ムターゼが働くために必要な補酵素(酵素を助ける物質)であるビタミンB12(コバラミン)の代謝に異常があるタイプ
いずれのタイプも遺伝性の病気です(難病情報センター)。
メチルマロン酸血症とメチルマロニルCoAムターゼ(酵素)の異常
ひとつ目の原因は、メチルマロニルCoAムターゼという酵素そのものに異常が生じるタイプです。この酵素は、体内でメチルマロン酸を別の物質に変換する働きを担っています。酵素そのものに異常があるため、メチルマロン酸がうまく代謝されず、メチルマロン酸が蓄積してしまいます(小児慢性特定疾病情報センター)。このタイプは「MCM欠損症」と呼ばれています。
メチルマロン酸血症とビタミンB12(コバラミン)代謝異常
2つ目の原因は、酵素そのものではなく、酵素の働きを助ける補酵素であるビタミンB12(コバラミン)の代謝に異常が生じているタイプです。ビタミンB12は、体内に取り込まれてから、酵素が使える形(活性型補酵素)に変化するまでにいくつかの段階を経ます。この過程のどこかに異常があると、酵素自体は正常でも十分に働くことができず、メチルマロン酸が蓄積します(国立健康危機管理研究機構)。
メチルマロン酸血症は遺伝する病気?(常染色体劣性遺伝)
メチルマロン酸血症は、どちらのタイプも「常染色体劣性(潜性)遺伝」という遺伝形式をとる病気です(難病情報センター、小児慢性特定疾病情報センター)。
- 両親はそれぞれ、原因となる遺伝子を1本だけ持つ「無症状のキャリア(保因者)」であることが多い
- 子どもが両親それぞれから原因遺伝子を1本ずつ、合計2本受け継いだ場合に発症する
つまり、両親に症状がなくても子どもが発症することがある病気です。気になる症状がある場合は、医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
難病情報センター『メチルマロン酸血症(指定難病246)病気の解説(一般利用者向け)』 https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター『メチルマロン酸血症 概要』 https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
国立健康危機管理研究機構(JIHS).“MGenReviews『メチルマロン酸血症』”..https://mgen.jihs.go.jp/disease/60,(参照 2026-10-15).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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