神経線維腫症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

神経線維腫症の治療には、主に外科的手術や放射線療法が行われます。根本的な治療法としての薬はまだ確立されていません。

解説

神経線維腫症の治療には、主に外科的手術や放射線療法が行われますが、薬物療法も一部の症状管理に使用されます。

NF1型とNF2型では治療薬が異なる場合がありますが、根本的な治療法としての薬はまだ確立されていません。

NF1型の治療薬では、近年、MEK阻害薬、コセルゴカプセルⓇが日本で承認され、用いられるようになっています。これは、神経線維腫を縮小させる効果が認められていますが、副作用として下痢吐き気発疹や乾燥肌、疲労感などが報告されています。

NF2型では、聴神経腫瘍に対して外科的手術や放射線療法が主体となりますが、最近、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対する 抗体薬 であるベバシズマブの有効性が海外から報告されています。この薬を点滴すると、約半数の方で腫瘍の縮小や(有効聴力が残っているときには)聴力の改善がみられます。

現在のところ保険適用がありません。これに対して、国内で治験が行われており結果が待たれます。

さらに現在、国内でVEGF受容体に対するワクチン治療の開発が行われています。まだ、この薬は臨床試験中のため、保険適用の承認はされていません。

これは、聴神経腫瘍の進行を遅らせる効果があり、一部の患者で聴力の回復も見られます。ただし、副作用として高血圧や血栓形成、出血傾向などがあるため、慎重な管理が必要です。

公開日

最終更新日

東京頭痛クリニック 脳神経内科

越智 佳奈 監修

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