神経線維腫症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

神経線維腫症では定期的な検診が必要です。腫瘍の急激な増大に注意しましょう。

解説

神経線維腫症のNF1型では、悪性腫瘍を合併する割合が健常人と比べてやや高いと言われています。

急に大きくなる固いしこりができたときには悪性末梢神経鞘腫瘍という悪性腫瘍の可能性がありますので、早めに専門の医療機関に相談してください。

また、叢状神経線維腫*のある方で腫瘍が急に大きくなったときには、悪性末梢神経鞘腫瘍を発症している可能性や、それ以外に軽い打撲による刺激などで腫瘍の内部に出血が起こっている可能性もありますので、様子を見ないで速やかにかかりつけの医療機関を受診してください。

最近になりNF1では健常人と比べて乳がんのリスクが4~5倍高い(特に50歳以下の女性)と言われていますので、定期的な検診を心がけてください。

NF2型では、必要な日常生活での注意は、特にありませんが、毎年1~2回の定期検査が必要です。神経学的検査・聴力検査・頭部MRI・脊髄MRI・白内障検査などを受けてください。

遺伝性の病気ですので、家族の方も検査を受けることをおすすめます。

比較的若年で発症する家系と比較的晩年に発症する家系があります。家系の発症年齢時期には検査を専門病院で受けてください。発症年齢をかなり過ぎても異常が起こらなければ、遺伝の可能性は低いと言えます。

叢状神経線維腫*=神経線維腫の中でも神経鞘(神経を覆う膜)にできる腫瘍。皮膚や皮下の浅いところにある神経線維腫よりも、体の内側に生じる

公開日

最終更新日

東京頭痛クリニック 脳神経内科

越智 佳奈 監修

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(参考文献)

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