腎臓摘出後に痛みはありますか?また、その後遺症や対処方法について教えてください。
傷が治るまでは皮膚の痛みが伴うことが多いです。また、筋肉痛が強くなったような痛みが出ることもあります。
腎臓摘出後の痛みに関して
傷を触ったときの皮膚の痛みや、体を動かしたときの筋肉の痛みがあり、個人差はありますが、治るまで数日から2週間程度、場合によっては数ヶ月かかることがあります。
腎臓は背中側にあり、肋骨に守られるような場所に位置するため、腎臓を摘出する方法は、ロボット手術や腹腔鏡手術、開腹手術などがあります。
腫瘍の大きさなどによって使い分けていますが、いずれも腎臓を取り出せる程度の、少なくとも10cm以上の大きな傷になるように皮膚や筋肉を切る必要があり、まれに大きな腫瘍の場合は、肋骨の一部を削ることもあります。
そのため、傷が治るまでは、基本的には2週間程度、ピリピリ、ズキズキとした皮膚の痛みが伴うことが多いです。また、筋肉が治るまでは、体を動かしたときに筋肉痛がかなり強くなったような痛みが出ることもあります。
痛みの対処法に関して
まず、出血や血腫の形成、感染症など、根本的な治療が必要な病気がないかを診察や血液検査、画像検査で調べて対応します。
それとは別に、手術では体に傷をつけるため、以下のような麻酔や薬を使って、術後の痛みを抑える方法があります。
- 硬膜外麻酔
- ブロック麻酔
- 内服鎮痛薬
治療手術後も痛みを感じている神経に直接効く痛み止めを使うことで、手術後数日の強い痛みを緩和することができます。
その後はアセトアミノフェンや、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、トラマドールなどの痛み止めを使い、日常生活が送れる程度の痛みを目指します。
ただし、痛みが強く日常生活に影響が強い場合や、2週間以上も痛みが強い場合は、血腫や感染症がゆっくり出てきた可能性や、痛み止めが少ない可能性があるので、我慢せずに再度病院を受診しましょう。
その他の後遺症や合併症に関して
腎臓摘出後の痛み以外の合併症には、以下のようなものがあります。病気によっては痛みを伴うこともあります。
腎臓の手術に特有なもの
- 腎機能の低下
- 血尿
麻酔の合併症
手術に伴う合併症
腎臓は2つあるため、ひとつ摘出すると反対側の腎臓への血流が増えて、腎機能は最終的にもともとの6割程度になることが多いです。
そのため、慢性腎臓病(CKD)になることが多く、腎臓内科での食事や血圧の管理が必要になることが多いです。糖尿病や高血圧などがあると腎臓機能が悪くなるため、透析が必要になることもあります。
手術は体にとって負担になるため、手術後数日は発熱することが多いですが、発熱が長く続く場合は、感染症に対する抗菌薬での治療などが必要になることもあります。
入院中はベッド上にいることが多く、筋力が衰えてしまうため、痛み止めである程度動けるようになれば、術後1週間以内(完全に痛みが取れる前)に退院になることが一般的です。
手術後はなんらかの合併症が起こることがあるので、我慢して症状が悪化する前に何か違和感に気がついたら、我慢せずに担当医や医療スタッフに相談しましょう。(秋元)
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
A. Bachmann, et al. Transplantation. 2006, 081(012), 1735-1738.
Covotta M, et al. Pain Med. 2020, 21(2), 378-386.
日本泌尿器科学会.“腎癌診療ガイドライン2017年度版”.がん診療ガイドライン.http://www.jsco-cpg.jp/kidney-cancer/,(参照 2025-03-21).
日本泌尿器科学会ほか.腎臓がん(腎細胞がん) 関連リンク・参考資料.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/reference.html(参照 2025-03-21)
一般の皆様 - 麻酔を受けられる方へ|公益社団法人 日本麻酔科学会.https://anesth.or.jp/users/common/receive_anesthesia?page=11#sc-wrap(参照 2025-03-21)
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