泣き入りひきつけの場合、主にどのような治療をしますか?
治療は安全確保と観察が中心で、必要に応じ鉄不足を改善します。多くは自然に治ります。
泣き入りひきつけの治療は、安全確保と経過観察が基本です。
泣き入りひきつけは乳幼児の自律神経系(心拍や呼吸を自動で調整する仕組み)の一時的な反応によって起こります。成長とともに自然に治るため、発作時の落ち着いた対応と経過観察で十分です。必要に応じて鉄不足の改善を行います。
①発作時の安全確保
意識がぼんやりすることがあるため、横向きまたは仰向けに寝かせ、周囲の危険物をどかします。揺さぶる必要はありません。ほとんどは数十秒で自然に呼吸が戻ります。
②鉄分不足の治療
発作の原因として鉄分不足の関連性も指摘されており、血液検査で鉄分不足が確認された場合は治療を検討します。鉄分を補充する治療で発作頻度が減ることがあります。
③泣き入りひきつけについて理解する
急に青ざめたり硬直したりするため保護者は驚きますが、後遺症は残らず、多くは学童期までに自然に治ること、てんかんとは異なることを知っておくことが大切です。安心できる知識があると、過度な不安や不必要な救急受診を防げます。不安や疑問があれば、小児科で相談するとよいでしょう。
④必要な場合のみ検査
発作が長い、頻繁に起こる、誘因がはっきりしない、回復に時間がかかるなどの場合は、小児科を受診しましょう。必要に応じて心電図検査、血液検査、脳波検査などが行われます。典型的で短時間で回復する発作であれば、特別な治療は不要です。
泣き入りひきつけは、ほとんどが自然に治る良性の発作で、薬物治療が必要になることはまれです。
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最終更新日:
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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