泣き入りひきつけの場合、日常生活で気をつけることはありますか?
発作時の安全確保、生活リズムの調整、鉄分不足の改善が重要です。
泣き入りひきつけでは、発作時の安全確保と、生活リズム・鉄分不足の改善が重要です。
泣き入りひきつけは、強い泣きや驚きの直後に一時的に息が止まり、青ざめたり意識が遠のく発作で、多くは成長とともに自然に治ります。日常生活で特別な制限は必要ありませんが、発作を安全に乗り切ることと、誘因を減らす工夫が大切です。
最も重要なのは発作時の安全確保です。倒れた際に頭部を打たないよう、子どもを平らな場所に寝かせ、周囲の物をどけます。揺さぶったり、口の中に物を入れてはいけません。多くは数十秒で呼吸が自然に戻るため、落ち着いて見守ることが大切です。
生活面では、規則正しい睡眠が特に重要です。睡眠不足は感情の爆発や癇癪の頻度を増やし、泣き入りひきつけの誘因になります。食事リズムを整えることも、低血糖や空腹によるぐずりを減らすことに役立ちます。鉄欠乏は発作を悪化させるため、鉄を含む食品を意識し、必要に応じて医師の指示のもと鉄剤治療を検討します。
行動面では、子どもの癇癪に一貫した対応が必要です。発作後に親が慌てて要求をのんでしまうと、癇癪と発作が「強化」されてしまう可能性があるため、冷静な対応が重要です。また、激しい泣き方は発作の誘因となるため、強い叱責を避け、事前に見通しを伝える、選択肢を示すなど、気持ちの切り替えを助ける関わり方が効果的です。
泣き入りひきつけに、過度の心配や生活制限は必要ありません。転倒や窒息を避ける工夫と、誘因となるストレスを減らすことが、安心して生活するために大切です。
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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