泣き入りひきつけで死亡した例はありますか?
泣き入りひきつけ自体での死亡例はほぼありません。事故防止と診断の確認が重要です。
泣き入りひきつけそのものが原因で死亡した例は、医学的にほぼ報告されていません。
泣き入りひきつけは主に自律神経系(心拍や呼吸を自動で調整する仕組み)の未熟さによる反応で、発作は通常数十秒以内に自然に回復し、後遺症も残りません。大規模研究では、泣き入りひきつけを起こす子どもの死亡率は一般の子どもと変わらないことが示されています。死亡例がほぼない理由としては、発作が短時間で収まること、酸素が完全に途切れるわけではないこと、多くが成長とともに改善し、学童期までに消失することが挙げられます。
ただし、まったくリスクがないわけではなく、注意すべき点はいくつかあります。
まず、発作中の事故です。転倒して頭を打つ、窒息するなど、発作そのものではなく、周囲の環境が危険を生む場合があるため、発作が起きたら安全な場所に寝かせることが重要です。
次に、基礎疾患の見落としです。まれに、泣き入りひきつけに似た症状が、実は不整脈や重症の心疾患による失神であることがあります。特に蒼白型(痛みや驚きで迷走神経反射が強く起こり、心拍がゆっくりになり血圧が低下し、一時的に意識が遠のくタイプ)の泣き入りひきつけで、長い無反応が続く場合は、精密検査が必要です。心配な場合は、医師に相談しましょう。
結論として、典型的な泣き入りひきつけの自然経過は良好で、死亡リスクは極めて低いと言えます。
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(参考文献)
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最終更新日:
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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