泣き入りひきつけは発達障害と関係がありますか?
泣き入りひきつけは発達障害とは関係なく、自律神経系の未熟さによる年齢特有の反応です。
泣き入りひきつけは、一般的に発達障害とは関係ありません。
泣き入りひきつけは、強く泣いた直後に一時的に息が止まり、青ざめたり意識が遠のいたりする乳幼児特有の反応です。主な原因は自律神経系(心拍や呼吸を自動で調整する仕組み)の未熟さであり、脳の発達そのものとは関係しません。発達障害は脳の発達や特性によるものであり、泣き入りひきつけとは仕組みがまったく異なります。
泣き入りひきつけがあっても、発達に影響したり、発達障害を引き起こしたりすることはないと、これまでの研究で明確に示されています。大規模研究でも、泣き入りひきつけの有無でその後の発達障害の発生率に差はないことが確認されています。後遺症が残ることもなく、成長とともに多くは4〜6歳頃までに自然に消失します。
それでも「発達障害と関係があるのでは」と心配される理由のひとつは、この発作が起こりやすい6ヶ月〜2歳が、ちょうど言葉の発達や社会性などの個人差が目立ち始める時期と重なるためです。また発達障害の子どもでは感覚過敏や感情のコントロールの難しさから、泣く機会が多かったり癇癪が強かったりするため、結果として泣き入りひきつけの誘因が増えることがあります。しかしこれは「泣き入りひきつけを起こす子は発達障害である」という意味ではありません。
言葉の遅れ、社会的な関わりの乏しさ、反復行動など発達面で気になる点がある場合は、泣き入りひきつけとは切り離して専門家へ相談する必要があります。また、発作が極端に多い、長い場合は小児科での評価が適切です。
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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