泣き入りひきつけは性格に関係しますか？

泣き入りひきつけは、性格との直接的な関連はありません。気質という生まれつきの行動傾向が影響することはあります。

泣き入りひきつけは乳幼児の自律神経系（心拍や呼吸を自動で調整する仕組み）が未熟な時期にみられる発作です。強い泣きや驚きのあとに一時的に呼吸が止まり、青ざめたり意識が遠のいたりする体の反応で、怒りっぽい・泣きやすいといった性格やしつけが原因ではありません。

一方で、研究では発作を起こす子どもに、次のような気質的特徴がやや多いと報告されています。気質は大人のいう固定的な性格とは異なり、成長とともに変化する正常な個性です。

• 刺激に敏感で、光・音・痛みに反応しやすい
• 気持ちの切り替えが難しい
• すぐに怒りやすい、癇癪が多い
• 活動量が多い、興奮しやすい
• 睡眠や食事のリズムが乱れやすい

これらはあくまで感情の振れ幅が大きいため「泣く場面が増え、結果として発作のきっかけが生じやすい」だけであり、性格が発作を引き起こしているわけではありません。

不安に感じやすいのは、発作の起こる時期と、子どもの気質差が目立ち始める時期が重なるためです。しかし、泣き入りひきつけと将来の性格障害・愛着障害・発達障害との関連は科学的に否定されています。

泣き入りひきつけは育て方の問題でも性格の問題でもなく、成長とともにほとんどの子が自然に改善します。規則的な生活リズム、予測しやすい声かけ、落ち着いた対応が発作の軽減に役立ちます。