泣き入りひきつけの場合、どのように育てたらよいですか?
特別なしつけは不要です。安全確保しつつ、安心できる環境で、普段どおり育てればよいでしょう。
泣き入りひきつけの場合に、特別な育て方は必要ありません。
泣き入りひきつけの多くは、成長とともに自然に治ります。「発作時の安全確保」と「落ち着いた日常環境づくり」を大切にしながら、普段どおりに育てて問題ありません。
発作が起きたときは、子どもを床など安全な場所に寝かせ、頭周りの物をどかし、呼吸や顔色を観察します。揺さぶったり、口に物を入れてはいけません。多くは数十秒で呼吸が再開し、数分以内に完全に回復します。1分以上反応が戻らない場合は救急要請が必要です。
日常生活では、感情的な爆発を少なくする予防が役立ちます。睡眠不足、低血糖、空腹は不機嫌や癇癪の頻度を増やすため、規則正しい睡眠と食事が大切です。また、鉄分不足が発作に影響する可能性が示唆されているため、鉄を含む食品を意識し、必要に応じて医師と鉄剤治療を検討します。
行動面では、子どもの癇癪に一貫した対応が必要です。発作後に親が慌てて要求をのんでしまうと、癇癪と発作が「強化」されてしまう可能性があるため、冷静な対応が重要です。また激しい泣き方は発作の誘因となるため、強い叱責を避け、事前に見通しを伝える、選択肢を示すなど、気持ちの切り替えを助ける関わり方が効果的です。
発作が頻回の場合は、動画を撮り医師に相談すると診断の助けになります。誘因がない、発作が長い、6歳を過ぎても続くなどの場合は、小児神経科など専門医の評価が必要です。
泣き入りひきつけは育て方の問題ではなく、多くの子どもが正常に成長し、自然に治っていきます。
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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