コーヒーと尿路結石の関係性について教えてください。
コーヒーには様々な成分が含まれておりますが、尿路結石のリスクを低くする可能性が報告され始めています
コーヒーを飲むことで腎結石などの上部尿路結石ができるリスクを下げる可能性があることが報告されています。
コーヒーにはシュウ酸(多くの尿路結石の原因成分)が含まれていることが知られていましたが、玉露の入った緑茶や抹茶、紅茶などと比較すると少量と考えられており、ある研究では、コーヒーの摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループと比較して尿路結石のリスクが約30%低いという結果が出ています。
また、別の研究では、コーヒーを含む総水分摂取量が増えるほど、初めて腎結石ができるリスクが低くなることが報告されています。
これらの研究では、水分量だけでなくコーヒーに含まれるカフェインによって尿の量が増え、尿の中に含まれる結石のもとになる物質の濃度が薄まることが関係していると考えられています。
総じてコーヒーは尿路結石の中でも特に腎結石のリスクを下げる傾向が報告されています。
コーヒーのシュウ酸が気になる場合はブラックではなく、カルシウムの入った牛乳などを混ぜて飲むことなどでシュウ酸の摂取をやや抑えることができます。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
Jiwen Geng et al.“The association between caffeine intake and risk of kidney stones: A population-based study”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36299992/,(参照 2025-07-16).
Shuai Wang et al.“A meta-analysis of coffee intake and risk of urolithiasis”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24503776/,(参照 2025-07-16).
Thomas J Littlejohns et al.“Fluid Intake and Dietary Factors and the Risk of Incident Kidney Stones in UK Biobank: A Population-based Prospective Cohort Study”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31085062/,(参照 2025-07-16).
日本泌尿器科学会ほか.“尿路結石症 診療ガイドライン 第3版 2023年版”..https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/46_urolithiasis_2023.pdf,(参照 2025-07-16).
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