熱はないが頭痛と下痢を繰り返す
監修医師吉岡 藍子消化器内科
- 更新日
- 2026/07/09
- 公開日
- 2025/09/09
概要
熱がないのに頭痛と下痢を繰り返す場合、自律神経の乱れやストレスが消化器と頭痛の両方に影響していることが考えられます。脱水による頭痛や、過敏性腸症候群に頭痛が伴う場合もあるとされています。症状が繰り返す場合は、医療機関への相談をご検討ください。
下痢とは
下痢とはどのような症状ですか?
水分を多く含んだ便が出る症状です。トイレに行く回数が増えたり、腹痛を伴う場合もあります。
水分を多く含んだ便が出る症状です。
一般的には、消化管に流れ込む水分は食べ物や飲み物のほかに胃液や腸液などの消化液が含まれ、1日10Lほどと言われています。
そのうちの8Lは小腸で吸収され、残りのほとんどは大腸で吸収され、便には100mlほどしか水分が残りません。
腸での水分吸収が抑えられたり、腸液の分泌が多くなると、便に含まれる水分が多くなり、下痢となります。また、腸の動きが活発になりすぎると、十分に水分が吸収される前に排泄されてしまうため、下痢となります。下痢は腸内に溜まった有害物質を排出する体の防御反応でもあります。
下痢の原因
下痢の原因には何がありますか?
ウイルスや細菌の感染が原因として最も多いです。飲食物・ストレス・薬なども下痢の原因となる事があります。
感染や薬による腸炎、飲食物、慢性的な病気、腸以外の病気でも下痢が起こることがあります。
感染性腸炎
ウイルスや細菌などの病原菌の感染で腸炎が起こります。
虚血性腸炎
便秘などで腸の血の巡りが悪くなることで腸に炎症が起こって粘膜がただれて下痢をきたします。粘膜のただれから出血するので血便を伴うことが多いです。
薬剤性腸炎
抗生物質の内服で、元々の腸内細菌バランスが崩れたり、そのほかの薬でも腸粘膜に影響して腸炎が起こることがあります。
過敏性腸症候群
ストレスなどにより腸の動きが活発になったり、腸液の分泌吸収調節がうまくいかなかったりすることで下痢をきたします。
飲食物
アルコールや香辛料、コーヒーなどの刺激物が腸を刺激して、腸液の分泌が亢進することがあります。
炎症性腸疾患
腸に炎症をおこす難病により、下痢症状を繰り返すことがあります。潰瘍性大腸炎、クローン病といった病気があります。
大腸癌
大腸の中にできものがあると、腸の動きが活発になって、下痢となることがあります。
慢性膵炎
膵臓から分泌される消化液が足りないと、食べ物が未消化になり、腸管内に水分が溜まって下痢を起こします。特に脂肪が分解されず残ることがあるので、脂肪便(下痢の中に油が浮いていること)が見られることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
下痢の症状がある場合、受診の目安はありますか?
発熱や激しい腹痛などの強い症状がある際には早めに受診しましょう。長期間下痢が続いている場合も受診を検討しましょう。
急に出現する激しい症状、例えば1日10回以上の下痢や、発熱や血便が見られぐったりするときは緊急性が高い可能性があるのですぐの受診を考えます。強い腹痛が伴う場合も重大な病気の危険性があるため、早めの受診をおすすめします。
下痢は感染性腸炎によるものが多く、自然治癒することが多いので、数日で改善することがほとんどです。1週間以上続くような場合は、感染以外の他の病気がある可能性が高いので受診をおすすめします。
下痢の場合、何科を受診したらよいですか?
消化器内科を受診しましょう。急いで受診する場合には、救急外来やかかりつけのクリニックの受診も考えましょう。
急に出現する激しい症状、例えば1日10回以上の下痢や、発熱や血便が見られぐったりするときは緊急性が高い可能性があるので救急外来を考えます。強い腹痛が伴う場合も重大な病気の危険性があるため、早めの受診をおすすめします。
ある程度、食事や水分が取れている場合は、日中にかかりつけ医や消化器内科を受診すると適切な検査を行うことができます。
下痢に関連するその他の質問
元気なのに、下痢だけ続いている場合どのような病気を考えますか?
軽症であれば、どんな病気でも元気にみえることがあります。過敏性腸症候群・慢性膵炎・大腸癌などでもあり得ます。
一番頻度が高い感染性腸炎で下痢をきたす場合は、通常は数日で下痢は治りますが、10%ほどの割合で過敏性腸症候群といった下痢が続いてしまう病気を引き起こすことがあります。
慢性膵炎や大腸癌なども腹痛といったほかの症状が見られずに下痢だけ続くこともあります。一見元気そうに見えても、大きな病気が隠れていて治療が必要なこともあるので、受診して検査することが必要です。
下痢を出し切る方法はありますか?
出し切る方法はありません。下痢の原因に合わせた対処方法が必要です。
下痢の原因は一番多いのは感染性腸炎です。多くの場合は、数日で自然に下痢が止まるので、水分や消化の良い食事の摂取と安静を心がけます。
下痢は、有害物質を排泄する防御反応であることから、下痢止めは基本的には使いません。
整腸剤などの薬を補助的に使いながら自然に治ることを待ちます。
慢性的に下痢が続く場合は、背景に重大な病気が隠れていることもあるので大腸カメラや便培養検査などの検査を行って調べていきます。
下痢に関連する病気・症状
このページを見ている人はこんな病気も見ています
このページを見ている人は他にどんな病気を見ていますか?
この記事の監修医師
吉岡 藍子
消化器内科・内科
消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。
- 更新日
- 2026/07/09
- 公開日
- 2025/09/09