慢性血栓塞栓性肺高血圧症
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更新日:2/7/2023
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症について「ユビー」でわかること
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症のQ&A
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心臓から肺に血液を送る血管である肺動脈の圧力(血圧)が、何らかの原因で異常に上昇する病気です。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る肺の細い血管が狭くなったり硬くなったりすることで、心臓から肺へ血液を送る血管(肺動脈)の圧力(血圧)が異常に高くなってしまった状態を「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」と言います。
通常、肺が血液中に酸素を取り込み、その酸素が取り込まれた血液が全身に送られることで、体中に酸素が行き渡ります。しかし、肺の血圧が高くなると、心臓から肺に血液が送られにくくなり、全身にうまく酸素が届かなくなります。
その結果、息苦しさや動悸などの症状が生じるほか、場合によっては心臓に負担がかかり、心不全などの病気を引き起こします。 - A.
心臓の疾患、遺伝、薬、膠原病などの疾患が関連する場合や、原因が不明(特発性)の場合もあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る肺動脈性肺高血圧症の原因には、遺伝、薬剤、膠原病、肝臓の病気、先天性の心臓の病気、HIV/エイズなどがあります。
また原因のはっきりしない、特発性と呼ばれるものもあります。
肺動脈性肺高血圧症が発症する詳しい仕組みについては、残念ながらまだ明らかになっていません。
上記の遺伝・薬・病気などによって引き起こされる、炎症、成長因子の異常、たんぱく質の異常、血管新生、代謝・機能の異常、ミトコンドリアの異常などが、肺動脈(心臓から肺へと血液を送る血管)の収縮や血管の壁の肥厚(分厚くなること)を引き起こし、肺動脈性肺高血圧症になるのではないかと考えられています。 - A.
非常に稀な疾患で、有病率は100万人に1〜2人から15人程度とされています。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る非常に頻度が少ない疾患であり、有病率は報告にもよりますが100万人に1〜2人から15人程度とされています。
日本では指定難病に該当しており、肺動脈性肺高血圧患者として登録済みの方は2019年時点で3,934人です。 - A.
病気の進行に伴って息苦しさ等の症状が悪化し、最終的には命に関わります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る治療せず放置してしまうと、息切れや息苦しさが進行し、速やかに命に関ります。自然経過で治癒することはありません。
無治療のままでいた場合の平均生存期間は、海外の報告では発症後2.4年程度とされています。また、日本の報告によると5年生存率は約42%とされています。 - A.
身体を動かした時などの息苦しさや疲れやすさが主な症状です。失神、血痰、咳、声のかすれ等の症状が出ることもあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る最も早い段階で出現する特徴的な症状は、体を動かした時の息切れです。その他にも、疲れやすさ、胸痛、失神、動悸、咳、血痰・喀血(血を吐く)などの症状が出現することもあります。
病気が進行して肺動脈の圧が高まると、心臓に過度の圧がかかることで血液をうまく送り出せなくなる心不全状態が進行します。また、呼吸苦症状の悪化、全身のむくみ、血圧の低下、全身の血流障害などを引き起こしてしまうこともあります。 - A.
似たような息切れを生じる疾患としては、心不全などの心疾患、喘息やCOPD等の肺疾患があります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る肺高血圧の主な症状である動いた時の息切れは、多くの疾患で見られます。
代表的なものとしては、以下の病気が挙げられます。- 心臓の病気:心臓の機能が低下する心不全など
- 肺の血管が詰まる病気(肺塞栓)
- 肺そのものの病気:喘息やCOPDなど
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血液検査、レントゲン、心電図、超音波検査、肺の機能を評価する検査、カテーテル検査など、多くの検査を行う必要があります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るまずは症状や経過、身体診察の結果などから疑い、可能性があれば検査を行って診断を確定します。
肺動脈性肺高血圧の診断のためには、下記のような多くの検査を行う必要があります。スクリーニング(病気の可能性を探ること)などの目的で行う検査
- 血液検査
- 心電図
- 胸部レントゲン
- 心臓超音波検査
- 血液ガス
上記の検査で異常を認めた際に行う精密検査
- CT
- MRI
- 肺換気血流シンチグラム
- 心臓カテーテル検査
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投薬治療(内服、吸入、点滴)が中心です。病状によっては在宅酸素療法を行うほか、肺移植を検討することもあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る投薬治療が治療の中心となります。複数の薬剤を併用したり、内服や吸入を並行して行ったりすることもあります。
また、重症の場合は持続点滴の薬剤も検討します。病状によっては在宅酸素療法も行います。
上記の通常の治療で効果がない場合には、肺移植も検討します。 - A.
インフルエンザ等の感染症にかかると症状が悪化するおそれがあるので、ワクチン等で予防しましょう。運動の実施については医師と相談しましょう。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る日常生活においては、下記のような点に注意しましょう。
感染症対策
感染症にかからないよう、なるべく人混みを避け、外出時などにはマスクを着用しましょう。小まめなや手洗いなども大切です。
また、インフルエンザなどについてはワクチン接種も受けるようにしましょう。避妊
妊娠・出産はリスクが高いため、避けることが望ましいです。
希望する場合は必ず事前に主治医と相談しましょう。仕事や旅行
心身に負荷がかかりすぎないよう、周囲と相談しながらスケジュールや内容を無理のないものに調整しましょう。
運動
軽めの運動であればむしろ健康上望ましいですが、過度に負荷のかかる運動は絶対にしないようにしましょう。
運動の実施については、あらかじめ主治医に確認することが望ましいです。飲酒・喫煙
症状が悪化する可能性があるため、飲酒や喫煙については主治医の指示に従うようにしましょう。
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肺の血管を広げる薬を主に用いますが、症状に応じてその他にもいくつかの薬を併用します。薬によっては副作用もあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るカルシウム拮抗薬など、肺の血管を広げる作用のある薬を主に使用します。症状によって複数の薬剤を併用することも多いです。
また重症の場合、持続点滴の製剤の使用も検討されます。病状によっては抗凝固療法や、利尿剤の使用、心臓の働きを助ける作用のある強心剤の使用も検討されます。
薬の使用にあたっては、血圧の下がりすぎや肝臓・腎臓などの数値の上昇、薬疹(薬の使用に伴う発疹)の出現といった副作用に注意します。 - A.
他の種類の薬の使用や、複数の薬の併用を検討します。病状によっては在宅酸素療法のほか、肺移植を検討することもあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るある種類の薬が効かない場合には、違う種類の薬に切り替えたり、いくつかの薬剤を併用したりして経過を見ていきます。
ただし、病状によっては在宅酸素療法の実施も並行して行うほか、薬剤に対して抵抗性のある方や重症の方の場合、肺移植等を検討することもあります。 - A.
国の指定難病として支援を受けられることがあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る病状によっては指定難病の認定を受けることができ、医療費助成制度の利用が可能となります。
医療費の自己負担分は通常では3割ですが、医療費助成制度を活用すれば、収入に応じた自己負担上限額を超えた分について、公費負担としてお住まいの地方自治体から助成を受けることができます。
また、訪問看護などの医療サービスを通して、日常生活や治療の補助・サポートを受けることも可能となります。
詳しくは主治医に相談してみましょう。 - A.
息苦しさや疲れやすさがひどくなっているなど、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るこれまで問題なく行うことのできていた動作に伴って息切れが出現するようになったら、ぜひ早めに受診してください。
また、疲れやすさや動悸、めまいや失神、むくみの増加など、これまでなかった症状が生じてきた場合にも、受診を検討していただくとよいでしょう。 - A.
循環器科や呼吸器内科を受診してください。かかりつけのクリニック等があれば、そちらで相談してみましょう。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る主な症状が息切れのため、循環器科や呼吸器内科を受診することを検討してください。特に動悸や胸痛、失神などの症状がある場合には、循環器科の受診が必要です。
かかりつけ医がいる場合には、まずは一度そちらで相談してみてもよいでしょう。
監修医師
診療科・専門領域
- 内科
- 循環器内科