肺胞蛋白症の余命はどのくらいですか?

病気のタイプや重症度によって異なり、治療の進歩により改善傾向ですが、一部のタイプでは予後不良です。

解説

肺胞蛋白症の余命や予後(病気の今後の見通し)は、病気のタイプ(自己免疫性、続発性、先天性/遺伝性)や病状の重症度、合併症の有無によって大きく異なります。

自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)

  • 以前の報告では、APAP患者さんの5年生存率は約88%とされています。
  • 5年以内の死亡の 80%以上は診断から 1年以内に発生します。
  • 約7.9%から30%の患者さんでは、特別な治療をしなくても自然に病状が軽快することがあります。

続発性肺胞蛋白症(SPAP)

  • 基礎疾患(特に血液の病気など)を持つため、全体的に予後が不良です。
  • 日本におけるSPAP患者さんの研究では、生存期間の中央値が17ヶ月、2年生存率は約42%と報告されています。予後不良の主な原因は、基礎疾患の悪化、感染症の合併、全身状態の不良など多岐にわたります。

先天性肺胞蛋白症/遺伝性肺胞蛋白症(CPAP/HPAP)

  • 出生直後から重い呼吸不全を起こして命にかかわるケースから、肺の線維化がゆっくりと進行する慢性的な経過をたどるケースまでさまざまです。
  • 特に、サーファクタントの生成に不可欠なSP-Bというタンパク質が不足するタイプのCPAP/HPAPは、出生後早期に重篤な呼吸障害を発症し、生命予後が極めて悪いとされています。

治療法の進歩により、近年では予後が改善する傾向にあります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

この記事をシェアする

治療が必要な患者様へのお願い

肺胞蛋白症

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

関連するQ&A
関連する病気と症状
気になる症状はユビーアプリで簡単チェック
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
医療AIに不調を相談

医療AIパートナー ユビー

24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです

無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。