肺胞蛋白症の治療薬には何がありますか?
GM-CSF吸入薬や去痰剤が用いられますが、ステロイドは通常推奨されません。
肺胞蛋白症の治療薬としては、主に以下の薬剤が検討されます。
遺伝子組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(rh GM-CSF)吸入薬
- 自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)の治療選択肢として用いられます。
- 「サルグラモスチム」と「モルグラモスチム」の2種類の薬剤があり、これらをネブライザーという吸入器を使って肺に直接届けます。
- 肺胞マクロファージという細胞の働きを助け、肺胞にたまったサーファクタント由来の物質の処理を促進することを目的としています。
去痰剤(アンブロキソール塩酸塩など)
- 痰を出しやすくする目的で使われることがあります。
- 安全性が高く、肺胞の細胞に作用する基礎研究結果もあるため、補助的な治療として期待されています。
ステロイド
- 一般的に、肺胞蛋白症の治療にはステロイドは推奨されません。
- 過去の研究で効果が認められず、むしろ病状を悪化させたり、感染症にかかりやすくなったりする可能性があると報告されています。
- ただし、他の病気(自己免疫疾患や肺線維症など)が合併している場合は、その治療のためにステロイドが使用されることもあります。
その他
- 一部の患者さんでは、抗GM-CSF抗体を除去する血漿交換や、B細胞という免疫細胞を抑えるリツキシマブという薬剤が試みられることもありますが、これらの治療についてはさらなる研究が必要です。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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