筋ジストロフィーと筋萎縮性側索硬化症(ALS)との違いはなんですか?

筋ジストロフィーは筋肉の病気、ALSは筋肉に命令をあたえる神経の病気です。遺伝の関与、発症する年齢やその後の経過、代表的な症状などに違いがあります。

解説

筋ジストロフィーは、遺伝子の異常によって正常な筋肉が作られなくなり筋力低下をおこす病気です。
それに対して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は筋肉そのものには原因がなく、筋肉に命令をつたえる神経(運動ニューロン)に異常がおこる病気です。このため、脳から手足につたわるべき運動の命令が届かなくなり、手足がうまく動かせない・やせ細るといった症状となります。この病気は、遺伝による影響は少なく5~10%とされます。
以下にこれらの違いについて具体的に示します。

発症年齢とその後の経過の違い

大きな違いは、発症年齢とその後の経過です。
筋ジストロフィーでは発症年齢が低いほど、その後は重症な経過をたどることが多いです。幼児に発症した場合、10歳頃には歩けなくなってしまっていることも多い病気です。一方で、成人になってから発症した場合には、徐々に筋力低下がすすむことが多いです。
対して、ALSでは最も多い発症年齢は60~70代ですが、2~5年ほどの経過で人工呼吸器が必要になるほど病気が進行してしまいます。

症状の違い

発症する際の症状も異なり、筋ジストロフィーでは、一般的に体の中心に近い筋力の低下を起こしやすいため、立ち上がる、歩く、階段を昇るなどの筋力低下で気が付くことが多いです。
一方、ALSでは手足の先のほうの症状がでやすいことや、左右差がでやすいことが特徴で、「左手だけ細かい作業ができない」などの症状です。筋肉以外の症状が先にみつかることもあり、「話しにくい」「食べ物が飲み込みにくい」といった喉の症状で発症する場合もあります。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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(参考文献)

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