筋ジストロフィーの末期症状はどのようなものがありますか?

末期症状には、重度の筋力低下に加え、呼吸不全、心不全、嚥下障害などの合併症があります。

解説

筋ジストロフィーの末期症状には、重度の筋力低下に加え、呼吸不全、心不全、嚥下障害などの合併症があります。

筋ジストロフィーが進行し、末期になると、全身の筋力低下が著しくなり、自力での姿勢維持や移動が非常に困難になります。

これに伴い、関節が硬くなる「拘縮」や体の変形(特に背骨の曲がりなど)が見られるようになります。

また、命に関わる重要な症状として、次のような合併症が挙げられます。

呼吸不全

肺の機能が低下し、呼吸が苦しくなります。呼吸機能障害は、一般的に運動機能障害が進行した後に現れることが多いですが、病型によっては早期から現れることもあります。窒息や誤嚥(誤って食べ物や唾液が気管に入ること)による肺炎(誤嚥性肺炎)のリスクが高まります。

心不全や不整脈

心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなります。不整脈も重要な合併症であり、筋強直性ジストロフィーやエメリー・ドレフュス型では高頻度に見られ、突然死の原因となることもあります。

嚥下障害

食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる症状です。多くの病型では病気の進行した段階で現れますが、筋強直性ジストロフィーでは病気の初期から見られることもあるため、注意が必要です。嚥下障害があると、栄養不足になったり、誤嚥性肺炎のリスクがさらに高まったりします。

これらの症状は、病型によって特徴があるものの、必ずしも決まった順序で生じるわけではありません。

定期的な評価のもと、必要なときに適切なケアを受けられるようにしましょう。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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