筋ジストロフィーの診断基準はどのようなものですか?

この病気の特長的な症状と、遺伝子検査や筋肉の顕微鏡検査などを含む各種検査によって総合的に診断します。

解説

この病気の診断は、各種検査結果を総合的に判断して行われます。

特徴的な症状や合併症の有無の確認

まず、筋ジストロフィーに特徴的な症状や合併症の有無を確認します。
特徴的な症状とは、時間をかけて悪化し続ける身体の筋力低下です。ただし、この病気を幼少期に発症した方では、少しずつ筋力がついてきて出来ることが増えているように見えることがあります。この場合でも、通常の成長過程と比較すると、明らかに筋力が弱いことがこの病気の特徴です。
上述のような筋力低下に加え、さまざまな合併症があります。この病気にはさまざまな種類があるため、その種類によって見られやすい合併症が異なります。
例えば、

  • 不整脈心不全などの心臓の病気
  • 関節の拘縮(関節が固く、うまく動かせない状態)
  • 筋肉の偽性肥大(みかけは大きいが、筋力が不十分な筋肉)

などがよく見られます。

家族情報の確認

もし、親類が遺伝子検査や筋肉の顕微鏡検査でこの病気の診断をうけている場合、その病気の種類と遺伝のしやすさが分かります。判明している通りに遺伝しているのであれば、この病気である可能性が高くなるため、この病気の家族情報も診断基準となります。

遺伝子検査

筋ジストロフィーが強く疑われた場合には、さらに遺伝子検査を行って筋ジストロフィーの遺伝子変異がないかどうか、遺伝子異常によって原因となる異常なタンパクが作られていないかどうかなどを確認します。

そのほかの検査

また、筋肉を採取して顕微鏡で検査をすることで、筋肉にこの病気に特徴的な異常な所見が無いかも確認します。血液検査や筋電図の検査も参考とします。

他に似た症状が見られる病気である可能性を否定したうえで、該当する検査結果の種類が何で、いくつあるかによって

  • 「Definite(確実)」
  • 「Probable(ほぼ確実)」
  • 「Possible(可能性あり)」

と診断します。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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(参考文献)

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