イソ吉草酸血症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
L-カルニチンやグリシンで有害物質の排出を促進します。副作用は比較的まれとされています。
イソ吉草酸血症に用いられる主な薬は、L-カルニチンとグリシンです。副作用で胃腸症状がみられることがあります。
イソ吉草酸血症は、体内でロイシン(筋肉やたんぱく質の材料となるアミノ酸)を分解する酵素が十分に働かず、有害な代謝産物(イソ吉草酸)がたまる病気です。体内に有害物質をためないようにする食事療法と、代謝を助ける薬物療法を組み合わせることで、多くの人が安定した日常生活を送ることが可能です。
薬物療法では主に、以下の薬が用いられます。
L-カルニチン
- 効果:イソ吉草酸と結合して無毒なイソバレリルカルニチンを形成し、尿中に排泄しやすくします。イソ吉草酸血症ではカルニチンが大量消費され、体内で不足しやすいため、補充の意味でも重要です。
- 副作用:下痢、吐き気、体臭の変化、まれに高用量で筋力低下や不整脈など
グリシン
- 効果:イソ吉草酸と結合して無毒なイソバレリルグリシンを形成し、尿中に排泄しやすくします。
- 副作用:胃腸症状(吐き気、下痢)、まれに高用量で血圧低下や眠気
これらはどちらも、蓄積されたイソ吉草酸を無毒で排泄可能な化合物への変換を促進することで、代謝危機(血液の酸性化や意識障害)のリスクを下げます。発作時や絶食時には、ブドウ糖点滴でエネルギーを補い、体がロイシンを分解しないようにすることもあります。
薬は症状や体重に応じて、医師が調整するため、自己判断で中止せず、定期的な診察と血液検査で安全性を確認します。
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(参考文献)
Vockley J et al. Isovaleric acidemia: new aspects of genetic and phenotypic heterogeneity. Am J Med Genet C Semin Med Genet. 2006, 142C, 95-103.
Mütze U et al. Classic Isovaleric Acidemia. GeneReviews. 1993-2025, , PMID: 38484105.
畑 郁江,ほか.イソ吉草酸血症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_026/(参照 2025-11-10)
イソ吉草酸血症(指定難病247).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/4816(参照 2025-11-10)
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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