イソ吉草酸血症の場合、主にどのような治療をしますか?
低ロイシン食と薬物療法で代謝負担を軽減し、発作を予防します。重症発作時には緊急治療が必要です。
イソ吉草酸血症の治療の基本は、体内に有害物質をためないようにする食事療法と、代謝を助ける薬物療法です。
イソ吉草酸血症は、体内でロイシン(筋肉を作るアミノ酸)を分解する酵素が不足し、有害な代謝産物(イソ吉草酸)が蓄積する病気です。主な治療法は、食事管理、薬物療法、および代謝危機(代謝バランスが崩れる状態)への緊急介入です。
食事療法では、有毒な代謝産物の産生を最小限に抑えるために、ロイシンを多く含むたんぱく質を制限します。具体的には、医師や栄養士の指導のもと、ロイシンを減らした特殊ミルクやアミノ酸調整食品を用いて、成長に必要な栄養を保ちながら代謝負担を減らします。完全にたんぱく質を除くのではなく、「必要最低限の量」を維持することが大切です。
薬物療法としては、体内の有害物質を無毒化・排出するために、グリシン(有害物質と結合して排出を促す)、L-カルニチン(脂肪代謝を助け、毒性物質の排出を促す)などが使われます。
発熱や食欲不振、感染症などによって、代謝バランスが崩れるリスクが高まります。このようなときには、糖分を多く含む点滴などでエネルギーを補い、体内でロイシンが分解されないようにします。重症発作時には入院し、より集中的な治療が必要になります。透析治療により有害物質を除去することもあります。
これらの治療を継続することで、発作を防ぎ、日常生活を健康に過ごすことが可能です。医師や栄養士を含む多職種が食事や投薬計画を調整し、合併症を防ぎます。
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(参考文献)
Vockley J et al. Isovaleric acidemia: new aspects of genetic and phenotypic heterogeneity. Am J Med Genet C Semin Med Genet. 2006, 142C, 95-103.
Mütze U et al. Classic Isovaleric Acidemia. GeneReviews. 1993-2025, , PMID: 38484105.
畑 郁江,ほか.イソ吉草酸血症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_026/(参照 2025-11-10)
イソ吉草酸血症(指定難病247).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/4816(参照 2025-11-10)
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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