イソ吉草酸血症の原因は何がありますか?
原因はIVD遺伝子の異常です。アミノ酸代謝が障害され、体内に有害物質が蓄積し、症状を引き起こします。
イソ吉草酸血症の原因は、遺伝子変異です。イソ吉草酸血症は、生活習慣や感染などの後天的な原因で起こるのではなく、生まれつきの遺伝子変化による代謝異常症です。
人が食事から摂るたんぱく質は、体の中でアミノ酸に分解されます。イソ吉草酸血症は、遺伝子変異によって、その中のひとつ「ロイシン」(筋肉などを作るアミノ酸)の代謝に必要な酵素「イソ吉草酸CoAデヒドロゲナーゼ」が欠けている、あるいは働きが弱い状態です。これにより、イソ吉草酸という有害な代謝産物(分解途中の物質)が体内にたまり、血液が酸性に傾いたり(代謝性アシドーシス)、脳や全身に悪影響を及ぼします。
原因は、IVD遺伝子(イソ吉草酸CoAデヒドロゲナーゼを作る設計図である遺伝子)の変異です。ヒトの遺伝子は2つで一組であり、IVD遺伝子の2つともに酵素機能不全を起こす変異があると発症します。イソ吉草酸血症の患者さんの両親は保因者(2つで一組の遺伝子のうちひとつにだけ異常があり、自分自身は発症していない状態)であり、患者さんは両親それぞれからひとつずつ異常遺伝子を受け継ぐことで病気になります。両親が保因者である場合、子どもが病気になる確率は25%、子どもが保因者になる確率は50%です。このような遺伝の型は常染色体劣性遺伝と呼ばれます。
IVD遺伝子変異の型によって、残存する酵素の働きの程度や症状の重症度が変わり、まったく症状が出ないような軽微なものから、生後早期から重篤な症状を引き起こすものまでさまざまです。
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(参考文献)
Vockley J et al. Isovaleric acidemia: new aspects of genetic and phenotypic heterogeneity. Am J Med Genet C Semin Med Genet. 2006, 142C, 95-103.
Mütze U et al. Classic Isovaleric Acidemia. GeneReviews. 1993-2025, , PMID: 38484105.
畑 郁江,ほか.イソ吉草酸血症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_026/(参照 2025-11-10)
イソ吉草酸血症(指定難病247).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/4816(参照 2025-11-10)
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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