イソ吉草酸血症の原因となる「イソ吉草酸」とはなんですか?
ロイシンというアミノ酸の分解過程で産生される中間物質であり、蓄積すると有害です。
イソ吉草酸は、ロイシンというアミノ酸の分解過程で産生される物質です。
人が食事から摂るたんぱく質は、体の中でアミノ酸に分解されます。その中のひとつであるロイシンは、筋肉などを作るアミノ酸であり、通常は体内で段階的に分解され、最終的にエネルギーとして利用されます。この過程をアミノ酸代謝といいます。ロイシンが分解される途中で産生されるのが、イソ吉草酸です。
イソ吉草酸血症は、ロイシンの代謝過程で必要な、イソ吉草酸を分解する酵素「イソ吉草酸CoAデヒドロゲナーゼ」が欠けている、あるいは働きが弱い状態です。これにより、イソ吉草酸が体内にたまり、血液や組織に毒性をもたらすのです。具体的には、血液が酸性に傾く「代謝性アシドーシス」を起こしたり、脳や肝臓などの臓器に負担がかかり、嘔吐、ぐったりする、けいれん、独特の匂いなどの症状を引き起こします。
つまり、イソ吉草酸自体はロイシン代謝の中間生成物(分解途中の物質)で、正常であれば体に害はありません。しかし、代謝酵素が働かないことで「有害物質」として体内に蓄積し、イソ吉草酸血症の症状の原因となります。
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(参考文献)
Vockley J et al. Isovaleric acidemia: new aspects of genetic and phenotypic heterogeneity. Am J Med Genet C Semin Med Genet. 2006, 142C, 95-103.
Mütze U et al. Classic Isovaleric Acidemia. GeneReviews. 1993-2025, , PMID: 38484105.
畑 郁江,ほか.イソ吉草酸血症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_026/(参照 2025-11-10)
イソ吉草酸血症(指定難病247).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/4816(参照 2025-11-10)
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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