膠原病で間質性肺疾患を合併した場合、死亡原因となりやすいですか?

膠原病の種類や間質性肺炎のタイプにもよりますが、概ね死亡原因となりやすいと言えます。

解説

膠原病では、間質性肺炎を合併しやすいことが知られています。間質性肺炎は、全身性強皮症多発性筋炎/皮膚筋炎などの患者さんでは死因の1位となっており、他に関節リウマチなどでも死因の上位となっています。
例えば、多発性筋炎/皮膚筋炎で間質性肺炎と診断された患者さんを調べた研究では、その20%程度が3年間以内に亡くなったと報告されていますが、その死因の約80%は間質性肺炎に伴う呼吸不全(体に十分な酸素を取り込めなくなること)でした。間質性肺炎を合併した場合に必ずしも間質性肺炎が死亡原因となるわけではありませんが、診断された場合にはだんたんと肺の機能が落ちて、命を落とす危険があることを念頭に置く必要があります。

ただし、もともと持っている膠原病の種類や検出される自己抗体、間質性肺炎のタイプなどによっても、間質性肺炎が進行する勢いや死亡原因となりやすいかどうかには大きな差があります。
長年進行しないようなタイプもあれば、年々悪化していくタイプ、発症してからある程度の期間を乗り切ればその後は比較的安定するようなタイプなどもあり、個人差が大きいです。ご自身の見通しについて気になる方は、主治医に質問してみましょう。
CTD-ILDによる死亡割合(RA、強皮症、多発性筋炎)のイラスト

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科

渡邉 アヤ 監修

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