間質性肺炎・肺線維症の治療に用いる抗線維化薬とはどのようなお薬ですか? また、副作用はありますか?
抗線維化薬は、肺の線維化を抑えるお薬です。副作用はどのようなお薬にも認められるものですので、抗繊維化薬でも認められます。
抗線維化薬には、ニンテダニブとピルフェニドンというお薬があります。いずれも、肺の線維化に関わる物質の産生や増殖を抑制することで、間質性肺炎・肺線維症に効果を示します。
なお、副作用はどのようなお薬でも見られます。このため、抗線維化薬でも副作用はあります。
それぞれのお薬で報告されている副作用は以下の通りです。
ニンテダニブ(オフェブⓇ)
重大な副作用(カッコ内は頻度)
重度の下痢(3.0%)
重度の下痢が発生する可能性があります。
肝機能障害(2.1%)
主な症状:倦怠感、体がだるい、吐き気など
血栓塞栓症[静脈血栓塞栓(不明)、動脈血栓塞栓(0.2%)]
主な症状
血小板減少(0.2%)
主な症状:鼻血や歯茎からの出血、青あざができるなど
消化管穿孔(0.1%)
主な症状:吐き気、発熱、激しい腹痛など
間質性肺炎(不明)
主な症状:息切れ、咳、発熱など
ネフローゼ症候群(不明)
動脈解離(不明)
主な症状:胸やお腹、背中などが激しく痛むなど
そのほか報告されている副作用(頻度:10%以上)
- 下痢(56.1%)、吐き気(21.6%)、嘔吐(11.0%)、腹痛(10.9%)
- 肝酵素上昇(AST、ALT、ALP、 γ-GTP上昇等)(12.2%)
ピルフェニドン(ピレスパⓇ)
重大な副作用(カッコ内は頻度)
肝臓の障害(頻度不明)、黄疸(0.4%)
主な症状:倦怠感、白目や皮膚が黄色くなる、かゆみなど
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少(いずれも頻度不明)
主な症状:発熱、寒気、喉の痛みなど
そのほか報告されている副作用(頻度:5%以上のもの)
- 光線過敏症(51.7%)、発疹
- 食欲不振(23.0%)、胃不快感(14.0%)、吐き気(12.1%)、下痢、胸やけ
- 眠気、めまい、ふらつき(感)
- γ-GTP上昇(20.0%)、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇(いずれも肝臓の検査数値)
- 倦怠感
使用中は、これらの副作用の発現に十分注意する必要があります。中でも、下痢は半分以上の患者さんで認める副作用ですので特に注意が必要です。
気になる症状があれば、すぐに医師・薬剤師へご連絡してください。
公開日:
最終更新日:
Ubie株式会社 呼吸器内科
折茂 圭介 監修
(参考文献)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社.“オフェブⓇカプセル100mg/オフェブⓇカプセル150mg 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/650168_3999039M1022_1_13,(参照 2024-07-24).
塩野義製薬.“ピレスパ錠 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/340018_3999025F1021_1_12,(参照 2024-07-24).
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