発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の場合、主にどのような治療をしますか?
治療の主体は3大症状に対する対症療法ですが、赤血球の破壊を抑える薬が開発され、生命予後は大きく改善しました。
これまで、治療法は3大症状(補体介在性の血管内溶血とそれに伴うヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全)に対する対症療法(主に支持療法)が主体となってきました。
PNH溶血に対して開発された抗補体薬は、血栓症に対しても効果を示し、PNH患者の生命予後は大きく改善しました。ただし、骨髄不全に対しては効果がありませんので、別個に治療を検討する必要がありますが、基本的には再生不良性貧血の治療に準じます。
また、3大症状の最重症例に対しては、唯一の根治療法である造血幹細胞移植が行われます。
①抗補体療法
赤血球を攻撃する「補体」という成分を阻害することで溶血(赤血球が破壊された状態)を効果的に防ぎます。詳しくは、『発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対して行う抗補体療法とは、どのような治療ですか?』をご参照ください。
②造血幹細胞移植
遺伝子異常のない正常な造血幹細胞(血液細胞のもとになる細胞)を移植する治療法です。唯一の根治療法ですが、治療のリスクが高いため、生命に関わる病状がある若い方に限定されます。現在では、まず最初に抗補体療法から行われることが一般的です。
③支持療法
貧血に対して輸血を行うことや、赤血球を作る際に必要な鉄や葉酸を使用して補充する治療を指します。
大阪大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学 血液内科 招聘教授
西村 純一 監修
(参考文献)
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