発作性夜間ヘモグロビン尿症
「発作性夜間ヘモグロビン尿症」とは、赤血球が血管内で破壊され、貧血や黄疸、血尿などの症状が現れる病気で、指定難病のひとつです。初期症状には息切れや全身の倦怠感などがありますが、自覚できない場合も多いです。治療では薬剤を使って赤血球の破壊を抑制します。疑わしい症状が見られる場合には、血液内科を受診しましょう。
大阪大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学 血液内科 招聘教授
西村 純一 監修
病気について
「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)」とは、赤血球が血管内で破壊される病気で、溶血性貧血のひとつです。
はい、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は指定難病62に分類される希少な造血幹細胞の疾患です。
エクリズマブ導入前は平均32年でしたが、抗補体療法導入後、予後は大幅に改善しています。
腎不全や感染、出血、血栓、白血病化の危険があり、致命的となります。
「ヘモグロビン尿」は、赤血球破壊である溶血によってコーラ色となった状態です。
令和3年度の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さん数は全国で959人と報告されています。
PNHは再生不良性貧血(AA)と深く関連し、AAからPNHへの移行およびその逆の移行もあります。
PNHは後天性の造血幹細胞の異常で、PCHは寒冷抗体による自己免疫性溶血です。
日常生活で困る場面を具体的に伝え、資料やメモを共有すると理解されやすくなります。
「血管外溶血」は、赤血球が血管の中で壊されるのではなく、脾臓や肝臓で壊されるという違いがあります。
症状について
血液細胞のもとである造血幹細胞に後天的に遺伝子異常が起こることが原因です。
補体の攻撃によって起こる血管内溶血と、それに伴うヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全を3大症状とします。
溶血症状が顕在化する前に、骨髄不全症状(貧血、感染、出血)、血栓症などがみられることがあります。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
血管内での赤血球破壊が夜間(睡眠中)に起こるためです。そのため、起床後すぐの尿はヘモグロビン尿となります。
末期症状として汎血球減少による感染や出血、腎不全、血栓症などを呈し、致命的です。
脾臓や肝臓での血管外溶血や骨髄での造血低下のため、貧血が十分改善していない可能性があります。
PNHでは、赤血球が補体で壊れやすくなり、溶血・貧血や感染出血を招きます。
溶血による一酸化窒素減少がもたらす血管収縮に血小板・補体活性化も加わり、血栓が生じやすくなります。
溶血で増加した間接ビリルビンの胆汁中への過剰排泄により、ビリルビン胆石が形成されやすいためです。
PNHでは骨髄機能が低下し、赤血球・白血球・血小板すべてが減少するためです。
C3が付着した赤血球が脾臓や肝臓で処理されるため、血管外溶血が起こります。
PNHの一部のタイプ(骨髄不全型やAA-PNH)では血小板が減少し、出血傾向がみられます。
PNHは造血幹細胞異常により、骨髄低形成や骨髄不全を起こし、汎血球減少や感染・出血の原因となります。
ヘモグロビン値がしっかり上がると、だるさや息切れが改善し、歩行や階段昇降が楽になります。
だるさや息切れ、動悸やめまいなどの症状の変化にも注意することが大切です。
赤血球の破壊が抑えられると、貧血が改善し、体調の変化として、息切れ、だるさが軽くなります。
治療について
治療の主体は3大症状に対する対症療法ですが、赤血球の破壊を抑える薬が開発され、生命予後は大きく改善しました。
「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)」とは、赤血球が血管内で破壊される病気で、溶血性貧血のひとつです。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)について、令和4年度改訂版の詳細な診療ガイドラインがあります。
いいえ、点滴治療として使われる抗補体薬で血栓症の危険は減りますが、完全に防ぐことはできません。
いいえ、定期通院は必要ですが、必ずしも仕事や学業を休み続ける必要はありません。
必ずしも一生やめられないわけではありませんが、通常は継続が基本で中止は慎重に判断されます。
ステロイドはPNHの溶血発作に短期的効果はありますが、長期的な有効性はなく、補助的治療にとどまります。
ステロイドを長期使用すると、感染症や糖尿病、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死など重い副作用の危険があります。
ステロイド治療は急性期のみの短期使用に限られ、症状が落ち着けば速やかに中止します。
速やかに抗補体療法へ移行し、必要に応じて輸血や葉酸補充、免疫抑制療法や造血幹細胞移植を検討します。
はい、原因に応じて近位補体阻害薬など、別の薬を追加したり切り替えることがあります。
併用で副作用や感染症のリスクは高まる可能性がありますが、薬の組み合わせにより異なります。
市販薬やサプリメントは自己判断で使用せず、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
負担が増える可能性はありますが、助成制度等の利用によって必ずしも月の支払いが増えるとは限りません。
近位補体阻害薬であるダニコパンやイプタコパンなどの新しい飲み薬が選択肢に入ります。
PNHではまず抗補体薬(エクリズマブ等)の点滴治療を開始するのが一般的です。
受診について
診断について
補体介在性の血管内溶血と、それに伴うヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全を3大症状とします。
GPIアンカー型膜蛋白欠損赤血球1%以上かつLDH高値で明らかなPNHと診断します。
主治医に紹介状を依頼し、専門医が在籍する医療機関でセカンドオピニオンを受けるとよいでしょう。
生活で困る場面と、いつから、どんな症状が、どの程度つらいかを具体的に伝えると理解されやすいでしょう。
検査について
CD55やCD59欠損により溶血をきたします。診断や経過観察にこれらの欠損細胞が利用されます。
ヘモグロビン10g/dL未満や網状赤血球高値が続く場合、治療の効果が十分でない可能性があります。
NAPスコアは、好中球の酵素活性を点数化したもので、PNHでは低下する補助的検査です。
Ham試験は酸性血清で赤血球の壊れやすさを調べる検査で、PNHでは陽性になります。
赤血球の表面に抗体が付いているかを調べる検査で、PNHでは通常陰性です。
PNHの尿沈渣ではヘモジデリンを含む細胞が検出され、血管内溶血の証拠となります。
PNHでは溶血により鉄が尿中に失われ、フェリチン値が低下し鉄欠乏を示すことがあります。
手続きや支援について
薬について
PNHの新薬として、クロバリマブやペグセタコプランなどがあり、血管外溶血改善に期待されています。
抗C5抗体薬では頭痛や悪心など軽い副作用に加え、重大な副作用として髄膜炎菌感染症があります。
抗C5抗体薬エクリズマブ・ラブリズマブが中心で、輸血や免疫抑制療法、造血幹細胞移植も用いられます。
薬 : エクリズマブ(遺伝子組換え)(遺伝子組換え)(ソリリスⓇ)について
エクリズマブ(遺伝子組換え)(ソリリスⓇ)では、どのような副作用がみられますか?
エクリズマブ(遺伝子組換え)(ソリリスⓇ)には、どのような効果がありますか?
エクリズマブ(遺伝子組換え)(ソリリスⓇ)は保険適用になりますか?
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