発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症
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更新日:2023/01/25
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発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症について「ユビー」でわかること
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発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症と特に関連する症状について
次のような症状がある方はご注意ください。
赤い尿や血尿が最近出た
- 自覚した時期
- 1か月以上前から
- 症状の頻度
- 初めての症状である
お腹の痛みがある
- 症状の程度
- 日常生活に支障が出る程度に痛む
- 症状の出方
- 全く前ぶれもなく、ある瞬間から激しい症状が出現した
勃起しにくい、持続しない等で性交が満足に行えない
- 症状の経過
- 改善も悪化もしていない
体のだるさがある
- 症状の程度
- だるさで起き上がるのも苦労する
- 自覚した時期
- 6か月以上前から
最近の血液検査で貧血を指摘された
- 自覚した時期
- 6か月以上前から
息苦しさを感じる
- 症状の程度
- 会話をするだけでも息苦しくてつらい
- 症状の出方
- 全く前ぶれのない突然の発症だった
発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症とはどんな病気ですか?
血液に含まれる細胞の種である造血幹細胞に遺伝子変異が起こり、赤血球が体の中で壊されやすくなる血液の病気です。遺伝子が関係する病気ですが、生まれつきのものではないため、遺伝はしません。100万人に数人程度が発症する稀な病気で、診断される平均年齢は40歳代ですが、20−60歳代で幅広く発症します。赤血球が破壊される(溶血)と貧血や血尿、血栓症、その他さまざまな臓器の障害が起こります。症状の程度はさまざまで貧血症状や血尿がはっきりしない方もいます。また、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群といった他の血液の病気と合併することもあります。特殊な血液検査を行うことで診断します。根治治療は、造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)ですが、移植ができる条件や副作用により治療できる方は限られます。近年、新規治療薬により移植を行わなくても比較的長期に過ごすことが可能になっています。
発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症への対処法は?
動悸、息切れ、めまいなどの貧血症状や、白目が黄色いといった黄疸の症状、早朝の血尿(ワイン色、黒っぽい色)が代表的な症状なので、これらを認めている場合や、自覚症状がなくても、健診などで貧血や他の異常を指摘された場合は、この疾患を含め詳しく調べる必要があるため、医療機関の受診をお勧めします。また、血栓症や脳卒中、心筋梗塞などの病気にかかったことがある方も、背景に血液の病気が隠れている可能性もあるので、医療機関受診やかかりつけ医に相談すると良いでしょう。ゆっくり進行する病気ですが、血栓症や他の合併症によって致命的になることもあるので、早期発見、治療が重要です。
発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症の専門医がいる近くの病院はありますか?
発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症の専門医がいる病院を見る発作性夜間ヘモグロビン(血色素)尿症のQ&A
- A.
PNHは造血幹細胞異常により、骨髄低形成や骨髄不全を起こし、汎血球減少や感染・出血の原因となります。
解説発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、骨髄の働きを弱めることがあり、骨髄不全(血液を作る力が弱くなること)を引き起こします。
多くの症例で、再生不良性貧血(AA)や骨髄異形成症候群(MDS)と関連し、骨髄が十分形成されない「骨髄低形成」が進むと汎血球減少を起こします。
これにより、感染や出血が死因となることが少なくありません。典型的なPNHでは溶血や血栓症が前面に出ますが、再生不良性貧血(AA)-PNH症候群というタイプでは、骨髄が機能しない「骨髄不全」が主体です。
骨髄移植は根治につながりますが、適応は慎重に検討され、抗補体療法や免疫抑制療法が使い分けられます。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01).
発作性夜間ヘモグロビン尿症(指定難病62).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/3783(参照 2025-09-01) - A.
PNHの一部のタイプ(骨髄不全型やAA-PNH)では血小板が減少し、出血傾向がみられます。
解説はい、PNHの一部のタイプ(骨髄不全型やAA-PNH)では、血小板が減少し出血傾向がみられます。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の疾患の本態は、「溶血」「血栓症」「骨髄不全」の三本柱であり、骨髄不全型や再生不良性貧血(AA)-PNHというタイプでは、血小板も減少することがあります。血小板減少により、出血傾向が強まり、皮膚の点状出血や歯肉出血などが見られることもあります。
一方で、血小板が補体の影響を受けて過剰に活性化され、逆に血栓を形成しやすい側面もあります。つまり、PNHでは「血小板が減っても血栓ができやすい」という相反する特徴があり、専門医による慎重な評価が必要です。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る西村 J,et al.発作性夜間血色素尿症(PNH).今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=340(参照 2025-08-14)
保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01). - A.
C3が付着した赤血球が脾臓や肝臓で処理されるため、血管外溶血が起こります。
解説PNHで血管外溶血が起こるのは、補体(体を守るタンパク質の一種)C3が赤血球に付着し、脾臓や肝臓で処理されるためです。エクリズマブやラブリズマブなどの抗C5抗体薬は、血管内溶血を強力に抑えます。
しかし、補体経路の上流にあるC3が赤血球に付着するのを完全には防げません。その結果、脾臓や肝臓で処理される「血管外溶血」が目立つことがあります。結果として、治療中であっても貧血が十分に改善しない場合があり、その原因として、この血管外溶血が挙げられます。
これを改善する目的で、C3阻害薬(ペグセタコプラン)や因子B・D阻害薬など、新規治療薬の開発が進んでいます。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01).
西村 J,et al.発作性夜間血色素尿症(PNH).今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=340(参照 2025-08-14) - A.
PNHでは骨髄機能が低下し、赤血球・白血球・血小板すべてが減少するためです。
解説発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)では骨髄機能が低下し、赤血球・白血球・血小板すべてが減少するためです。
PNHは、造血幹細胞の遺伝子異常に基づく疾患であるため、骨髄の働きが低下することが少なくありません。その結果、赤血球だけでなく白血球や血小板も減少し、「汎血球減少」を起こします。
特に再生不良性貧血(AA)-PNH症候群というタイプでは、AAの特徴である骨髄が十分形成されない「骨髄低形成」が前面に出て、感染症や出血が主な臨床的な問題となります。
このような場合、抗補体療法だけでなく、免疫抑制療法や造血幹細胞移植を考慮する必要があり、病態に応じた包括的治療が求められます。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01).
発作性夜間ヘモグロビン尿症(指定難病62).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/3783(参照 2025-09-01) - A.
溶血で増加した間接ビリルビンの胆汁中への過剰排泄により、ビリルビン胆石が形成されやすいためです。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る溶血で増加した間接ビリルビンの胆汁中への過剰排泄により、ビリルビン胆石が形成されやすくなるためです。発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)では、赤血球が壊れる溶血が長期間続くことにより、ヘモグロビンの分解産物である間接ビリルビンが増えます。
胆汁中にビリルビンが過剰に排泄されると、「ビリルビン胆石」と呼ばれる黒色の色素胆石が形成されやすくなります。胆石ができると、右上腹部痛や黄疸、発熱などの症状を起こすことがあり、時に手術が必要になる場合もあります。PNH患者さんで腹部症状がある場合は、胆石合併を念頭においた評価が必要です。 - A.
溶血による一酸化窒素減少がもたらす血管収縮に血小板・補体活性化も加わり、血栓が生じやすくなります。
解説発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)では、赤血球が壊れると血液中に遊離ヘモグロビンが放出されます。これが一酸化窒素(NO)を消費し、血管が収縮しやすくなり、血小板も活性化されます。
また、補体の活性化自体が、血小板や血管内皮を刺激して凝固を促します。そのため、通常より血栓ができやすい体質となり、特に脳静脈洞や肝・門脈系など特殊な部位に起こりやすいのが特徴です。
これらの血栓は、致命的になることがあるため、抗補体療法で血栓発症を抑えることが予後改善につながります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01).
西村 J,et al.発作性夜間血色素尿症(PNH).今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=340(参照 2025-08-14) - A.
PNHでは、赤血球が補体で壊れやすくなり、溶血・貧血や感染出血を招きます。
解説発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)では、造血幹細胞の遺伝子異常によって赤血球の表面から補体を防ぐタンパク(CD55、CD59など)が欠けてしまいます。そのため、血液中で赤血球が壊れやすくなり、血管内溶血が持続的に起こります。
結果として、貧血やコーラ色の尿(ヘモグロビン尿)が見られ、血液検査ではLDHの上昇やハプトグロビンの低下が確認されます。また、骨髄の機能低下により白血球や血小板が減る場合もあり、感染症や出血を起こしやすくなるのも特徴です。
これらの異常を把握するために、フローサイトメトリーという検査機器によりPNH血球を検出して経過を観察します。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-09-01).
西村 J,et al.発作性夜間血色素尿症(PNH).今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=340(参照 2025-09-01) - A.
末期症状として汎血球減少による感染や出血、腎不全、血栓症などを呈し、致命的です。
解説PNHの末期症状には、感染、出血、腎不全、血栓症などがあり、命に関わることがあります。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、長い経過をたどることが多いですが、末期には骨髄低形成が進行し、白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する汎血球減少により、感染症(約1/3)や出血(約1/4)が死因となります。腎不全や静脈血栓症(本邦では10%未満)も致命的になりえます。
まれに、急性白血病や骨髄異形成症候群への進展もあります。抗補体療法の普及で血栓や溶血関連症状は減少していますが、治療がなければこれらの合併症が末期像となります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る難病情報センター.“発作性夜間ヘモグロビン尿症(指定難病62)”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/3783,(参照 2025-08-14).
保仙 直毅ほか.“発作性夜間ヘモグロビン尿症 診療の参照ガイド(令和4年改訂版) ”.医学情報・医療情報 UMIN.https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria2022.pdf,(参照 2025-08-14). - A.
血管内での赤血球破壊が夜間(睡眠中)に起こるためです。そのため、起床後すぐの尿はヘモグロビン尿となります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る発作性夜間ヘモグロビン尿症の「夜間」という名前は、睡眠中に特に赤血球が破壊される(溶血)ことが多く、早朝にワインのような色の尿が出るために名付けられました。
睡眠中は生理的に呼吸数が減少し、血中の二酸化炭素が増加します。これにより、血液が酸性に傾いてしまい、溶血を促進すると考えられています。 - A.
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る発作性夜間ヘモグロビン尿症が疑われる症状として、以下のようなものが挙げられます。
ヘモグロビン尿(血尿)
溶血(赤血球が破壊された状態)の程度によってワインレッド色からコーラ色まで色調はさまざまです。特に早朝によく見られます。
貧血
などの症状が見られます。
黄疸
白目や皮膚が黄色くなるといった症状が見られます。
- A.
溶血症状が顕在化する前に、骨髄不全症状(貧血、感染、出血)、血栓症などがみられることがあります。
- A.
補体の攻撃によって起こる血管内溶血と、それに伴うヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全を3大症状とします。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る補体の攻撃によって起こる血管内溶血と、それに伴うヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全を3大症状とします。それぞれ次の通りです。
①補体の攻撃によって起こる血管内溶血とそれに伴うヘモグロビン尿
めまい、疲労、息切れ、呼吸困難といった貧血症状、ヘモグロビン尿(※)、黄疸といった溶血症状のほかにも、腹痛、嚥下障害、男性機能不全などの多様な症状を示します。
(※ヘモグロビン尿…溶血(赤血球が破壊された状態)の程度によってワインレッド色からコーラ色まで色調はさまざまです。典型的には、早朝によく見られます)②血栓症
本邦例では欧米に比べ比較的まれですが、予後を左右するPNHに特徴的な症状です。
③骨髄不全
再生不良性貧血(aplastic anemia: AA)を代表とする後天性骨髄不全疾患と、しばしば合併・相互移行します。
- A.
血液細胞のもとである造血幹細胞に後天的に遺伝子異常が起こることが原因です。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る発作性夜間ヘモグロビン尿症の原因は、血液細胞のもとである造血幹細胞における、PIGA (phosphatidylinositolglycan-classA)という遺伝子の異常です。
PIGA遺伝子は、細胞表面に結合している「GPIアンカー型タンパク質」と呼ばれるタンパク質の形成に不可欠な糖脂質であるGPI (glycosylphosphatidylinositol)の合成に関わっています。
このためPIGA遺伝子の変異があると、血液細胞表面のGPIアンカー型タンパク質が失われ、結果として赤血球が異常に破壊されやすくなり、溶血という現象が起こります。
監修医師
診療科・専門領域
- 内科
- 呼吸器内科
- アレルギー科