「胆道閉鎖症」とはどのような病気ですか?

胆管がふさがり胆汁が流れなくなり、肝臓が障害される乳児の病気です。

胆道閉鎖症は、乳児の胆管(胆汁という脂肪の消化を助ける液を流す管)が閉塞または形成異常を起こし、胆汁が肝臓から腸へ流れなくなる病気です。

胆道閉鎖症は新生児期から乳児期に発症するまれな肝胆道疾患で、胆管に炎症や線維化(組織が硬くなる変化)が起こり、胆汁の流れが妨げられます。医学的には進行性線維性閉塞性胆管症(胆管が徐々に傷つき閉塞する病気)と考えられています。

胆汁が流れないと肝臓内に胆汁がたまり、肝障害(肝臓が傷つくこと)や肝硬変(肝臓が硬くなり機能が低下する状態)へ進行し、治療しなければ最終的に肝不全(肝臓が十分に働かなくなる状態)に至る可能性があります。

主な症状は、

  • 生後数週から続く黄疸(皮膚や白目が黄色くなる状態)
  • 白色便(胆汁色素が腸に届かないため白っぽい便
  • 濃色尿(濃い色の尿)
  • 肝腫大(肝臓が大きくなること)

などです。

出生直後は元気に見えることも多いですが、黄疸が長く続くことが重要なサインです。

治療の基本は葛西手術(肝門部空腸吻合術:胆汁が腸へ流れる新しい通り道を作る手術)で、早期に行うほど胆汁の流れが改善する可能性が高く、生後60日頃までの手術が望ましいとされています。それでも改善しない場合や肝硬変が進行した場合には、肝移植(新しい肝臓に置き換える治療)が必要になります。

日本では出生約1万人にひとり程度と報告されており、日本小児外科学会や国際的な小児肝疾患ガイドラインでも、早期診断と早期手術が予後(将来の健康状態)を大きく左右するとされています。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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