デュシェンヌ型やベッカー型とはなんですか?
筋ジストロフィーの種類のひとつです。「ジストロフィン」というタンパク質に異常を生じる病気です。
デュシェンヌ型やベッカー型は、筋ジストロフィーのさまざまな種類のなかでも最も頻度の高い代表的な2種類です。
ともに遺伝子の異常により、正常な筋肉の機能に必要な「ジストロフィン」というタンパク質に異常を生じるために、筋力が低下して運動機能の低下を中心にさまざまな症状が見られる病気です。
両者ともX染色体という男女を分ける遺伝子の異常であるため、ほとんどの場合で男性に見られる病気です。それぞれの特徴について以下に説明します。
デュシェンヌ型
デュシェンヌ型では、「ジストロフィン」が全く作られないため、幼児期には走れないなどの症状で病気がみつかり、10歳前後には歩行が出来なくなることの多い病気です。このころには呼吸機能の低下や心臓の病気が始まる場合もあります。「ジストロフィン」は脳の機能にも関わっており、約3分の1に知的障害がみられます。
ベッカー型
ベッカー型では、「ジストロフィン」の作られる量が健康な人よりも少なくなります。このため、症状に気付かれる時期がデュシェンヌ型より遅くなります。運動が苦手、走るのが遅い、運動後に筋肉が痛くなるといった程度の症状しかみられない場合も多いです。症状に気付かず運動をつづけることで、機能が低下した心臓に負荷がかかりすぎてしまい、心臓の病気でみつかることもあります。
公開日:
最終更新日:
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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「筋ジストロフィー」とはどのような病気ですか?
遺伝子の異常により筋肉の機能が障害され、筋肉が壊れやすくなる病気です。月日とともに徐々に症状が悪化します。指定難病のうちのひとつです。
筋ジストロフィーは女性でもなりますか?発症する場合、どのような症状がありますか?
女性も筋ジストロフィーになりますし、通常は症状に男女差はありません。デュシェンヌ型のように、女性がなりにくい種類もあります。
筋ジストロフィーは遺伝しますか?
遺伝しますが、親が病気でなくても発症することもあります。
筋ジストロフィーが大人になってから発症することはありますか?
筋強直性ジストロフィーなどは大人になってから発症することがあります。
筋ジストロフィーの発症年齢はどのくらいですか?
筋ジストロフィーの種類によって、3歳くらいのこともあれば50歳以上のこともあり、さまざまです。
筋ジストロフィーと筋萎縮性側索硬化症(ALS)との違いはなんですか?
筋ジストロフィーは筋肉の病気、ALSは筋肉に命令をあたえる神経の病気です。遺伝の関与、発症する年齢やその後の経過、代表的な症状などに違いがあります。
筋ジストロフィーの原因は何がありますか?
遺伝子の異常により筋肉の正常な機能が障害され、筋肉の細胞が死んでしまうことが原因です。
筋ジストロフィーではどのような症状がありますか?
手足の筋力が落ちたり、呼吸や飲み込み、消化、心臓の機能が落ちたりします。
筋ジストロフィーには初期症状はありますか?
初期症状には、筋力不足による運動機能の障害があります。知的障害や心臓の病気などが見られることもあります。
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