シーハン症候群は下垂体前葉と下垂体後葉にどんな影響がありますか?

下垂体前葉ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、プロラクチン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、成長ホルモン)の分泌がていかします。まれに後葉から分泌されるバソプレシンの分泌も障害されます。

解説

シーハン症候群では、下垂体の組織が血流不足のため壊死し、複数のホルモンの分泌が低下します(汎下垂体機能低下症)。

1. 下垂体前葉への影響(多い)

【欠損するホルモンと臨床症状】

  • 副腎皮質刺激ホルモン:副腎不全、低血圧、倦怠感低血糖など
  • 甲状腺刺激ホルモン:中枢性甲状腺機能低下症、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、脱毛など
  • 成長ホルモン:倦怠感、筋力低下、脂質異常症、骨密度低下
  • 性腺刺激ホルモン:無月経、不妊、性欲低下
  • プロラクチン:授乳不能(無乳)

※プロラクチンと成長ホルモンの欠損は、特に高頻度でみられます。​

2. 下垂体後葉への影響(まれ)

後葉は抗利尿ホルモン(バソプレシン)を分泌します。シーハン症候群ではまれに後葉にも虚血の影響が及ぶことがあり、以下の症状が出現することがあります。

  • バソプレシン欠損による尿崩症(中枢性尿崩症)
  • 頻尿(3L以上/日)、口渇、多飲、夜間頻尿、高ナトリウム血症

※尿崩症の発症率は4〜5%程度とされています。

公開日

最終更新日

医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇 監修

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