シーハン症候群は下垂体前葉と下垂体後葉にどんな影響がありますか?
下垂体前葉ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、プロラクチン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、成長ホルモン)の分泌がていかします。まれに後葉から分泌されるバソプレシンの分泌も障害されます。
シーハン症候群では、下垂体の組織が血流不足のため壊死し、複数のホルモンの分泌が低下します(汎下垂体機能低下症)。
1. 下垂体前葉への影響(多い)
【欠損するホルモンと臨床症状】
- 副腎皮質刺激ホルモン:副腎不全、低血圧、倦怠感、低血糖など
- 甲状腺刺激ホルモン:中枢性甲状腺機能低下症、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、脱毛など
- 成長ホルモン:倦怠感、筋力低下、脂質異常症、骨密度低下
- 性腺刺激ホルモン:無月経、不妊、性欲低下
- プロラクチン:授乳不能(無乳)
※プロラクチンと成長ホルモンの欠損は、特に高頻度でみられます。
2. 下垂体後葉への影響(まれ)
後葉は抗利尿ホルモン(バソプレシン)を分泌します。シーハン症候群ではまれに後葉にも虚血の影響が及ぶことがあり、以下の症状が出現することがあります。
※尿崩症の発症率は4〜5%程度とされています。
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
Halit Diri et al.“Sheehan's syndrome: new insights into an old disease”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26323346/,(参照 2025-07-01).
Zuleyha Karaca et al.“Sheehan syndrome: a current approach to a dormant disease”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39863703/,(参照 2025-07-01).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
シーハン症候群
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ