脳血栓症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
主に、血をさらさらにする薬で治療します。出血などの副作用があります。
主に、血をさらさらにする薬で治療します。
急性期の治療では、発症から3時間以内で、問診や診察や検査で問題ない場合は、遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベーター(rt-PA、アルテプラーゼ)という薬を用いて、血管に詰まっている血栓を溶かす、血栓溶解療法という点滴での治療を行うことがあります。
主な副作用は出血、特に出血性脳梗塞です。その他、アナフィラキシー、不整脈、血管浮腫、頭痛なども報告されています。
上記の適応とならなかった場合に、発症5日以内の治療として、血をさらさらにする抗血小板療法の点滴治療、もしくは内服治療を行う場合もあります。
点滴の治療としては、 オザグレルナトリウムという薬を使用します。
主な副作用として、発疹、じんましん、紅斑、喘息(様)発作、かゆみ、血圧下降、発熱、貧血などが報告されています。
内服治療としては、アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、チクロピジンなどの薬を使用します。
主な副作用として、胃腸障害、嘔吐、蕁麻疹、発疹、浮腫、めまい、頭痛、興奮、過呼吸、倦怠感、貧血、血小板機能低下(出血時間延長)などが報告されています。
また、それ以外に急性期の治療としては、血栓回収療法という、脳の動脈という血管に直接カテーテル管を入れて、血栓を回収するという治療もあります。治療中に脳の血管を傷つけてしまうリスクもあり、適応には専門家による判断が必要となります。
慢性期の治療は、抗血小板薬内服に置き換え、もしくは、継続に加えて、降圧剤、血糖降下薬、脂質異常症改善薬などを併用することがあります。
東京頭痛クリニック 脳神経内科
越智 佳奈 監修
(参考文献)
日本脳卒中学会ほか. 経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第 5 版. 脳卒中. 2024, 46, 181-216.
山上 宏. 脳梗塞急性期から慢性期までの抗血栓療法. 神経治療学. 2022, 39, 510-513.
協和キリン.医療用医薬品 : アクチバシン (アクチバシン注600万 他).KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00000219(参照 2025-04-30)
ジェイドルフ製薬.医療用医薬品 : オザグレルナトリウム.KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068079(参照 2025-04-30)
医療用医薬品 : アスピリン (アスピリン「ケンエー」).KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00004349(参照 2025-04-30)
医療用医薬品 : クロピドグレル.KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065308(参照 2025-04-30)
医療用医薬品 : シロスタゾール.KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00061526(参照 2025-04-30)
東和薬品.医療用医薬品 : チクロピジン塩酸塩 (チクロピジン塩酸塩錠100mg「トーワ」).KEGG,https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00061715(参照 2025-04-30)
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