IgA腎症で疲れやすくなる?扁桃腺摘出は必須?費用はどのくらい?

監修医師大庭 悠貴腎臓内科 / 虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科

IgA腎症について、特に知りたいことは何ですか?

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IgA腎症の場合、扁桃腺摘出は必須ですか?費用はどれくらいかかりますか?

扁桃腺摘出術はひとつの治療法であり、病態に応じて選択されます。費用は医療機関にお問合せください。

扁桃腺摘出術(扁桃摘出、扁摘)は、IgA腎症の治療方法のひとつとして日本で実施されてきました。必須の治療方法というわけではなく、病態(病気によって変化する体の状態)に応じて選択されることがあります。

扁桃腺摘出術は単独で、もしくはステロイドパルス療法との併用で治療することで、臨床的な症状や尿所見の改善効果が期待できます。しかし、腎機能低下を抑える効果については現時点では不明とされています。

なお、IgA腎症の一般的な薬物治療としては、尿蛋白の多さや血圧の高さ、腎臓の病変などに応じて、降圧剤であるACE阻害剤やARBの内服、ステロイドが用いられます。

扁桃腺摘出術にかかる費用は、医療機関に直接お問合せください。しかし、高額となることが多いので、 IgA腎症の難病申請後に行うことが望ましいです。

IgA腎症に罹患すると疲れやすくなりますか?

IgA腎症は初期に自覚症状が少ないですが、腎機能低下に伴い疲労感やだるさが現れることがあります。

IgA腎症は初期には自覚症状がほとんどありませんが、病気の進行や急性腎障害をきっかけに疲労感やだるさが現れることがあります。ここではIgA腎症と疲れやすさの関係について解説します。

IgA腎症とは

IgA腎症は、腎臓にある糸球体(しきゅうたい)という血液をろ過する組織に、IgAという免疫に関わるたんぱく質が沈着して炎症を起こす慢性の腎臓病です(IgA腎症診療ガイドライン2020)。国の指定難病にも指定されています(難病情報センター)。
初期にはほとんど自覚症状がなく、学校や職場の検尿で血尿や蛋白尿を指摘されて発見されるケースが多いとされています(難病情報センター)。風邪などの上気道炎や急性腸炎にかかった際に、コーラのような色の肉眼的血尿(目で見てわかる血尿)が現れることがあります(IgA腎症診療ガイドライン2020)。

IgA腎症の肉眼的血尿と倦怠感の関係

IgA腎症では、肉眼的血尿が出た際に、尿が出なくなるほどの急性腎障害(急に腎臓の働きが低下する状態)を起こす例があると報告されています(IgA腎症診療ガイドライン2020)。急性腎障害になると、以下のような症状が現れることがあります(日本腎臓学会)。

このように、肉眼的血尿をきっかけに急性腎障害が起こった場合には、疲労感やだるさを感じることがあります。

IgA腎症が進行したときの疲労感

IgA腎症が進行すると、腎機能の低下に伴ってさまざまな全身症状が現れるようになります(難病情報センター)。腎機能が大きく低下した末期腎不全では、体内に老廃物(尿毒症物質)がたまる尿毒症(にょうどくしょう)の状態となり、だるさは代表的な症状のひとつとされています(日本腎臓学会)。
さらに、腎臓の機能低下に伴って腎性貧血(じんせいひんけつ)が進行すると、全身の倦怠感などの症状が現れることもあります(日本腎臓学会)。

IgA腎症で気になる症状があるときは

IgA腎症は初期には自覚症状がほとんどないことが多い病気ですが、病気が進行すると疲労感やだるさ、むくみ、高血圧などの症状が現れることがあります(難病情報センター)。肉眼的血尿や体のだるさが続くなど、気になる症状があるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

IgA腎症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

支持療法や減塩などの生活習慣の改善を中心に治療を行うことが一般的とされています。

IgA腎症で主な治療薬が効かない場合は、慢性腎臓病(CKD)の進行を抑える支持療法や生活習慣の改善が治療の柱となります。他の免疫抑制薬やSGLT2阻害薬の使用が検討されることもあります。

IgA腎症の主な治療薬

IgA腎症の治療では、まずレニン・アンギオテンシン(RA)系阻害薬やステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)が使用されます。日本では、これらに加えて口蓋扁桃摘出術(こうがいへんとうてきしゅつじゅつ)を組み合わせる治療も行われています(エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020)。これらの治療で尿たんぱくの減少や腎機能の維持を目指します。

IgA腎症で薬が効かないときに検討される治療

主な治療薬が効かない場合や使用できない場合には、他の免疫抑制薬や抗血小板薬、n-3系脂肪酸(魚油)などが検討されることがあります。ただし、これらの治療についてはいずれも十分な根拠があるとはいえず、国際的なガイドラインでも広く推奨されていない状況です(KDIGO 2021)。使用にあたっては、効果と副作用のバランスを慎重に考慮する必要があるとされています。

IgA腎症と慢性腎臓病(CKD)の進行を抑える支持療法

主な治療薬で効果が得られない場合は、慢性腎臓病(CKD)としての進行を抑える支持療法が治療の中心となります。近年では、SGLT2阻害薬が糖尿病の有無にかかわらずCKD患者さんの腎機能低下を抑えることが報告されており、尿たんぱくを有するIgA腎症の患者さんにも使用が検討されることがあります(エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023、日本腎臓学会SGLT2阻害薬recommendation)。

IgA腎症の生活習慣で気をつけること

日常生活では、以下の点に気をつけることが大切とされています(難病情報センター、エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020)。

  • 減塩(食塩の摂り過ぎを避ける)
  • たんぱく質の摂取量を調整する
  • 禁煙

腎機能を長く維持するためには、日々の生活管理も治療の一部です。治療を続けても尿たんぱくが減らない場合や体調に変化を感じたときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

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