IgA腎症の場合、主にどのような治療をしますか?
全例で血圧の管理をします。腎機能低下のリスクが高い場合にはステロイド治療を行います。日本では扁桃摘出術を行うことが多いです。
IgA腎症は、臨床的所見(腎機能と尿蛋白)の重症度と、腎生検(腎臓の組織の一部を採取して行う検査)での組織学的な重症度を組み合わせて、透析療法に至るリスクを層別化し、治療をどこまで行うかを考えます。いずれの症例でも、肥満対策、運動、禁煙、減塩など生活習慣の改善は必須です。
尿蛋白が多い(>0.5g/日)・血圧が高い場合には、降圧薬であるACE阻害薬やARBの内服を行います。
尿蛋白が多い・腎臓に急性の病変があるなど、腎機能低下の進行リスクが高い人には、ステロイドを併用します。ステロイドパルス療法という点滴での投与を行うこともあります。これは海外でも同様です。
また、日本では昔から扁桃摘出術を単独で、あるいはステロイドパルス療法を併用する治療を行うことで寛解(病勢を抑えた状態)に至った歴史があり、現在でも積極的に行われています。あくまで日本人にのみ有効性が報告されており、白人には扁桃摘出術は推奨されていません。
なお現在、IgA腎症に対する新しいお薬が開発中です。新しいお薬は高額となる可能性もありますが、IgA腎症は指定難病のひとつですので、特定医療費(指定難病)受給者証をお持ちの場合は医療費助成を受けることができます。
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
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