IgA腎症の原因は何がありますか?
明確な原因は不明ですが、IgAの糖鎖異常や粘膜免疫異常、遺伝的素因の関与が考えられています。
IgA腎症は、免疫にかかわる物質IgAの異常が腎臓に炎症を引き起こす病気です。明確な原因は解明されていませんが、糖鎖異常や粘膜の免疫異常、遺伝的素因など複数の要因が関わると考えられています。
IgA腎症とは
IgA腎症とは、血液中のIgA(免疫グロブリンA)という免疫にかかわる物質が、腎臓の糸球体(しきゅうたい:血液をろ過する部分)に沈着して炎症を起こす慢性の腎臓病です。日本で最も多い糸球体腎炎とされており、国の指定難病に指定されています(難病情報センター)。患者数は約33,000人と推計されています(難病情報センター)。
IgA腎症の原因
IgA腎症の原因はまだ完全には解明されていません。現在は、以下のような複数の要因が重なって発症すると考えられています(エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020)。
- 糖鎖異常IgA:IgAの糖鎖(とうさ:タンパク質につく糖の鎖)の構造に異常が生じ、この異常なIgAが血液中に増加します
- 粘膜の免疫異常:異常なIgAは扁桃(へんとう)や骨髄などで産生されると考えられています(国立成育医療研究センター)
- 遺伝的な素因:一部に家族内で発症がみられる例が報告されています(難病情報センター)
これらの要因により、増加した異常なIgAが腎臓の糸球体に沈着し、炎症が起きることで腎機能が低下していくとされています(難病情報センター)。
IgA腎症と粘膜免疫・感染の関係
IgA腎症は、風邪などの上気道感染をきっかけに症状が悪化することがあります(国立成育医療研究センター)。扁桃などにある鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)と呼ばれる粘膜免疫の組織から、異常なIgAの産生が促されることが関係していると考えられています(鈴木祐介. 日本腎臓学会誌. 2016)。また、扁桃における慢性的な感染も、IgA腎症の発症に関わる要因のひとつとされています(鈴木祐介. 日本腎臓学会誌. 2016)。
IgA腎症と遺伝の関係
IgA腎症の一部には、家族内で複数の方が発症する家族性IgA腎症が認められています(難病情報センター)。遺伝的な素因が発症に関与すると考えられており、原因となる遺伝子の研究が進められています(エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020)。
IgA腎症の症状や経過が気になるときは
IgA腎症は、さまざまな要因が複合的に関わって発症・進行する病気です。症状や経過について気になることがあるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
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虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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