IgA腎症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
尿蛋白が多い・血圧が高い患者さんでは、レニン・アンギオテンシン(RA)系阻害薬を使用します。腎機能悪化が進展するリスクが高い人は、ステロイドを使用します。
IgA腎症は、臨床的所見(腎機能と尿蛋白)の重症度と、腎生検(腎臓の組織の一部を採取して行う検査)での組織学的な重症度を組み合わせて、透析療法に至るリスクを層別化します。いずれの症例でも、肥満対策、運動、禁煙、減塩など生活習慣の改善は必須です。
尿蛋白が多い(>0.5g/日)・血圧が高い場合には、降圧薬であるレニン・アンギオテンシン(RA)系阻害薬であるACE阻害薬やARBの内服を行います。血圧を下げる薬のため、低血圧でふらつきなどの症状が出る可能性があります。
尿蛋白が多い・腎臓に急性の病変があるなど、腎機能低下の進行リスクが高い人にはステロイドを併用します。内服に限らず、点滴で投与する場合もあります。ステロイドは炎症を抑える良い薬ですが、長期に使用することで、高血圧、高血糖、体重増加、骨粗鬆症、易感染性、消化性潰瘍などの副作用が出てきます。通常、ステロイドを始めるときには、これらを予防するための内服薬を併用します。
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最終更新日:
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
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IgA腎症
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「IgA腎症」とはどのような病気ですか?
IgAと呼ばれる免疫グロブリンが、腎臓の糸球体という領域に沈着して起こる腎炎です。
IgA腎症の原因は何がありますか?
原因は明らかではありませんが、遺伝的な素因や粘膜の免疫が関係すると言われています。
IgA腎症ではどのような症状がありますか?
無症状の血尿や蛋白尿が多いです。肉眼的血尿が見られることや、ネフローゼ症候群を起こすこともあります。
IgA腎症には初期症状はありますか?
尿蛋白や尿潜血、肉眼的血尿が見られます。腎機能が悪い・尿蛋白が多い場合には、むくみや高血圧が見られることがあります。
IgA腎症の場合、主にどのような治療をしますか?
全例で血圧の管理をします。腎機能低下のリスクが高い場合にはステロイド治療を行います。日本では扁桃摘出術を行うことが多いです。
IgA腎症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
腎臓内科を受診してください。
IgA腎症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
尿蛋白が出ている、尿潜血や肉眼的血尿が見られる、腎障害を指摘されている場合には受診してください。
IgA腎症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
IgA腎症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
慢性腎臓病の進行を防ぐための支持療法を行います。
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