IgA腎症の診断に必須の「腎生検」とは、どのような検査ですか? 痛みはありますか?
腎臓の組織を針で取り、顕微鏡で観察・診断する検査です。局所麻酔で行い、原則痛みはありません。
「腎生検」は、腎臓の中で起こっている病気の原因を詳しく診断するための重要な検査で、腎臓の組織の一部をボールペンの芯ほどの針で取り、顕微鏡で観察して行います。
一般的に局所麻酔した後で行いますので、基本的に強い痛みを感じることはありません。しかし、麻酔を行うときや、尿道カテーテルを入れる時などに痛みを感じることは考えられます。
検査にかかる時間は約30分ほどです。検査後は、6~24時間ベッドの上で安静が必要になり、通常入院で行われます。なお、日本で年間20,000人以上の方が受けています。
腎生検の目的には、以下の3つがあります。
- 腎臓の病期の原因と重症度がわかる(正確な診断をつけることができる)
- 病気の見通しを予測できる(今後、病気がどのように経過するかなど)
- 最適な治療法を考えることができる
IgA腎症の診断は、腎臓の組織にIgAという免疫の蛋白質が多く沈着していることが基準となります。他の蛋白質の沈着もみられることがありますが、その程度はIgAよりも少ないです。
IgA腎症の正確な診断には腎生検が必要です。またIgA腎症の治療は重症度によって扁桃摘出術やステロイド治療など、高い医療費がかかるものがあり国の指定難病の申請が望ましいですが、この申請のためにも腎病理所見が必要です。
IgA腎症は適切に治療されなければ、腎機能低下が進行し透析や腎移植など腎代替療法が必要になるリスクが高まります。
最適な治療を早く開始するためにも、腎生検を受けて早めに正確な診断を付けることが推奨されます。
もしも腎生検について不明点がある場合や、実施の必要性について悩んだ場合は、主治医に相談してみましょう。
公開日:
最終更新日:
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
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