IgA腎症とIgA血管炎の違いについて教えてください。
どちらも体の組織にIgAが沈着しますが、IgA腎症は腎臓、IgA血管炎は小血管壁への沈着が必須です。
どちらの病気も体の組織にIgAが沈着しますが、IgA腎症では腎臓への沈着が必須であり、IgA血管炎では血管壁への沈着が必須となります。なお、IgA血管炎では腎臓にもIgAが沈着している場合が多いとされています。
それぞれの病気でみられる症状は、IgA腎症は尿蛋白、尿潜血(血尿)、両下肢のむくみなどであり、皮膚症状はありません。
一方、IgA血管炎は全例に紫斑(紫紅色や暗紫褐色の斑点、皮膚内で出血が起こっている状態)がみられることが特徴的で、下半身を中心に軽く盛り上がった状態で現れます。他の症状としては、腹痛、関節炎、そして腎炎があります。
IgA血管炎では、尿蛋白や尿潜血などの腎炎の症状は必ずしもみられるわけではありません。腎生検(腎臓の組織の一部を採取して行う検査)ではIgA腎症と類似した所見が診られますが、 血管炎として、 IgA腎症よりも半月体やフィブリンと呼ばれる血管の破綻の所見が多くみられます。
しかし、腎臓だけで鑑別することは困難なので、 皮疹など他の臨床症状と合わせてIgA腎症かIgA血管炎かは区別されます。
公開日:
最終更新日:
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
日本腎臓学会. エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020. 東京医学社. 2020
J. Charles Jennette. Heptinstall’s Pathology of the Kidney 7th edition. Wolters Kluwer Health. 2015
日本皮膚科学会ガイドライン.“皮膚血管炎・血管障害診療ガイドライン 2023 ―IgA 血管炎,クリオグロブリン血症性血管炎,結節性多発動脈炎,リベド様血管症の治療の手引き 2023―”.日本皮膚科学会.https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/hifukekkannenn2023.pdf,(参照 2024-09-17).
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