低ガンマグロブリン血症の末期症状はどのようなものがありますか?

呼吸器感染症などの反復による臓器障害、脳炎を含む重篤な感染症および悪性腫瘍など挙げられます。

解説

低ガンマグロブリン血症とは、血液中のガンマグロブリン(免疫グロブリン)が著しく低下し、正常な免疫機能が損なわれる病態です。

これにより、感染症に対する防御機構が機能せず、さまざまな重篤な合併症が引き起こされます。

特に先天性のX連鎖型無ガンマグロブリン血症では、治療が行われなかった場合、末期には慢性かつ反復する呼吸器感染症(肺炎、副鼻腔炎中耳炎など)により、気管支拡張症などの不可逆的な肺障害が進行します。

また、エンテロウイルスによる慢性脳炎のリスクも高く、神経学的後遺症や致死的な転帰をとることもあります。

さらに、胃がん大腸がんといった悪性腫瘍の発症リスクも上昇します。

後天性の低ガンマグロブリン血症は、慢性リンパ性白血病(CLL)多発性骨髄腫(MM)といった血液腫瘍に続発することが多く、感染症による死亡率が非常に高いことが特徴です。

CLLでは死因の25〜50%が感染症関連であり、MMでは診断後60日以内の死亡例のうち約45%が感染症によるものでした。

これらの多くは呼吸器および尿路感染症であり、全体の70%以上を占めています。

このように、低ガンマグロブリン血症の末期症状は、感染症の反復・重症化による臓器障害、神経障害、消化器障害、さらに悪性腫瘍の合併など多岐にわたり、極めて深刻です。

したがって、早期診断と免疫グロブリン補充療法などの適切な管理が予後に大きく影響します。

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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