成長ホルモン分泌不全は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ヒト成長ホルモン製剤を注射します。主な副作用に血糖値の上昇、関節痛、むくみなどがあります。
使用する薬
ヒト成長ホルモン製剤(ヒューマトロープⓇ、ジェノトロピンⓇ、ノルディトロピンⓇ、グロウジェクトⓇ、ソグルーヤⓇ)を注射して治療します。
1日1回寝る前あるいは週1回注射を行いますが、必ず少量から開始して、症状や血液中のIGF-1値をチェックしながら徐々に(4週間ごとに)用量を増やします。副作用がなく、血中IGF-1値が年齢・性別基準範囲内に保たれるように投与量を調整します。
薬の副作用
主な副作用は耐糖能障害、関節痛、筋肉痛、むくみ、手根管症候群、頭痛、注射部の皮膚反応(痛み・腫れ・出血・かゆみなど)などです。
重篤な副作用として痙攣、甲状腺機能亢進症、ネフローゼ症候群があります。悪性腫瘍(がん)のある患者さんは治療の適応となりませんが、成長ホルモン補充療法開始後に、新たに腫瘍が発生したり下垂体腫瘍が再発したりするリスクは上がらないと報告されています。
また、小児がん生存者を対象とした研究では、成長ホルモンの補充を受けた患者さんにおいて、がんの再発リスクの増加は見られませんでした。
しかし、腫瘍の再発・増大のリスクがないとは言い切れないため、治療開始に当たっては十分なインフォームドコンセントが必要です。
公開日:
最終更新日:
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
Ulla Feldt-Rasmussen, MD, DMSc and Marianne Klose, MD, PhD..“Adult Growth Hormone Deficiency- Clinical Management ”.Endotext [Internet]..https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK425701,(参照 2024-08-29).
間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン作成委員会. 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン 2023 年版. 日本内分泌学会雑誌. 2023, 99, p. 1-171.
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