夜尿症の場合、主にどのような治療をしますか?
行動療法と、原因に応じた薬物療法(デスモプレシン、抗コリン薬など)を組み合わせて行います。
夜尿症の治療は、まず非侵襲的な「生活習慣の是正や行動療法(ウロセラピー)」から開始し、必要な場合は、患者さん個々の根本的な原因に基づいた薬物療法も行います。治療戦略は以下の通りです。
ウロセラピー
- 行動療法
尿意や便意を感じたら、我慢せずにトイレに行くような習慣づけや、水分や塩分の摂り過ぎの制限、適切な睡眠パターンの確保などを行います。
- 基礎疾患の治療
糖尿病、高血圧、心不全、睡眠時無呼吸症候群といった全身性の病気をしっかり治療します。
- 特殊な方法
膀胱の尿量をエコーで測定して、尿意が溜まった時にトイレに行く合図を出すアラーム療法や、膀胱の機能に関わる神経系を刺激する神経変調療法などもあります。
薬物療法
- 夜間多尿に対する薬物療法
夜間の尿量が過剰な場合は、尿量を減らす薬(デスモプレシン)が投与されます。
- 膀胱機能の異常に対する薬物療法
過活動膀胱などがある場合は、膀胱の過剰な働きを抑える薬(抗コリン薬やβ3作動薬など)が用いられます。また、排尿の通り道の閉塞があれば、それに対する適切な薬や外科的処置が行われます。
- 便秘に対する薬物療法
便秘が関わる機能性排尿排便障害が疑われる場合は、便秘に対するお薬が使われることもあります。
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(参考文献)
日本や尿症学会. 夜尿症診療ガイドライン2021. 診断と治療社. 2021
日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.夜間頻尿診療ガイドライン 第2版. リッチヒルメディカル,2020.
日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会ほか. 過活動膀胱診療ガイドライン 第3版. リッチヒルメディカル. 2022
Rahnama'i MS et al. The discrepancy between European Association of Urology (EAU) guidelines and daily practice in the evaluation and management of nocturia: results of a Dutch survey. World J Urol. 2019, 37, 2517-2522.
Chang TL et al. Nocturia, nocturnal polyuria, and nocturnal enuresis in adults: What we know and what we do not know. Tzu Chi Med J. 2024, 36, 370-376.
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最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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