夜尿症は治らない病気ですか？

夜尿症は、夜間多尿（夜間に作られる尿が多いこと）や、膀胱機能の異常、睡眠障害など複数の要因が関与しています。しかし、これは適切な診断と治療を行うことで、症状の改善や生活の質（QOL）の向上が十分に期待できる症状です。

特にお子さんで夜尿症がある場合は、脳の成熟に伴って徐々に改善することが多いです。ただし、夜尿症が不安や抑うつの原因にもなることがあるので、治療で早くよくなることも重要です。

治療は、主に以下の方法を組み合わせて行われます。

生活習慣の改善（行動療法）

主に飲水量や塩分摂取量の制限をすることや、睡眠衛生などを見直します。また、尿意や便意があった時に我慢しすぎずにトイレに行けるようにすることも大切です。

薬物療法

夜間多尿に対するデスモプレシンや、膀胱機能異常に対する抗コリン薬など、原因に合わせたお薬を使用します。

基礎疾患の治療

特に成人で夜尿症がある場合は、糖尿病、心不全、睡眠時無呼吸症候群といった全身疾患が隠れている可能性があり、それらの治療が効果的なケースもあります。

夜尿症は、これらの多角的な治療戦略によって、改善することが示されています。治療が長期にわたる場合もありますが、あきらめずに継続することが重要です。