多剤耐性結核は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
多剤併用療法を行いますが、さまざまな副作用が現れる可能性があります。
多剤耐性結核は、複数の異なる作用を持つ薬剤を併用して治療します。多剤耐性結核で用いられる治療法と副作用には以下のようなものがあります。
レボフロキサシン、モキシフロキサシン
吐き気、下痢、頭痛、筋肉痛や関節痛などが一般的な副作用です。まれに腱炎や腱断裂のリスクが高まることがあります。
クロファジミン
皮膚の赤褐色や黒褐色への変色、消化器症状(吐き気、下痢など)、目や便の変色などの副作用が現れることがあります。光感受性や肝機能への影響もあります。
イソニアジド
肝機能障害(黄疸や肝炎)、末梢神経炎、吐き気、食欲不振などの副作用が現れることがあります。まれに抑うつや発疹、発熱がみられることもあります。
ベダキリン
肝機能障害、吐き気、関節痛、頭痛、または胸痛などの症状が現れることがあります。まれにQT延長などの心臓リズム異常が生じることもあり、定期的なモニタリングが必要です。
リネゾリド
主な副作用は、骨髄抑制(貧血、血小板減少)、下痢、吐き気、頭痛です。長期使用で末梢神経障害や視神経障害が起こることもあります。
ストレプトマイシン、カナマイシン、エンビオマイシン、アミカシン
耳鳴り、難聴、平衡感覚障害(バランス感覚の異常)などの耳に関する症状や、腎障害、発疹、発熱などの副作用が現れることがあります。腎臓の病気がある方や高齢の方が使用する場合は特に注意が必要です。
エタンブトール
視力低下、視野の異常、色覚の異常など目に関する症状が現れることがあります。月に1回は視力検査を行うようにしましょう。
エチオナミド
吐き気などの胃腸症状や肝障害などの副作用が現れることがあります。
ピラジナミド
胃腸症状、肝障害、高尿酸血症(痛風)、関節痛などの副作用が現れることがあります。
サイクロセリン
錯乱状態などの精神症状が現れることがあります。
パラアミノサリチル酸
食欲不振などの胃腸症状、発熱、発疹などの副作用が現れることがあります。
治療期間は通常6ヶ月から24ヶ月と長期にわたります。また、治療の進行状況に応じて薬剤の変更が行われることがあります。
上記の他にもさまざまな副作用が現れる可能性があります。気になる症状が現れた場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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