エコーウイルスの場合、主にどのような治療をしますか?
エコーウイルスに特効薬はなく、水分補給や解熱などの対症療法が治療の中心で、多くは自然に回復します。
エコーウイルス感染症の治療は、症状を和らげながら自然な回復を待つ「対症療法(症状を軽くする治療)」が基本です。現在、一般的なエコーウイルス感染症に対して効果が確立された特効薬(ウイルスを直接治す薬)はありません。
多くの場合は軽症で、水分補給と十分な休養によって数日から1週間程度で改善します。発熱や痛みにはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬が使用されます。下痢や嘔吐がある場合は、脱水(体の水分不足)を防ぐため、少量ずつこまめに水分を摂ることが大切です。水分や食事が十分に取れない場合には、点滴が必要になることもあります。
エコーウイルスはウイルスによる感染症であるため、抗菌薬(細菌を倒す薬)は効果がありません。そのため、細菌感染の合併が疑われない限り、通常は使用されません。
一方で、無菌性髄膜炎(細菌が見つからない髄膜炎)、脳炎(脳の炎症)、心筋炎(心臓の筋肉の炎症)などの重症例では入院治療が必要です。呼吸状態が悪い場合には酸素投与や人工呼吸器による呼吸管理が行われることもあります。特に新生児や免疫力が低下している人では重症化しやすく、集中治療が必要になる場合があります。また、重症例では免疫グロブリン製剤(感染と戦う抗体を補う薬)が検討されることがありますが、その有効性は限定的で標準治療ではありません。
重要なのは、自宅で治療するか、早急な受診や入院が必要かを見極めることです。高熱が続く、呼吸が苦しい、水分が摂れない、意識がはっきりしない場合は速やかに医療機関を受診してください。
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(参考文献)
Srijan Singh, et al. Enteroviral Infections in Infants. . Newborn (Clarksville). 2022, 1, 297-305.
Paul Krogstad. Enteroviruses, Parechoviruses, and Saffold Viruses(In book: Feigin and Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases). Elsevier. 2025
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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