ダウン症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

ダウン症自体を治す薬はなく、合併症に応じて薬を使います。それぞれの薬で副作用が起こりえます。

解説

ダウン症(ダウン症候群)そのものを根本的に治す薬は、現在のところ存在していません。

ダウン症は染色体異常による先天性の病気であり、この染色体異常を薬で治すことは現時点では不可能だからです。

ただし、ダウン症に伴いやすい合併症に対しては、薬による治療が行われることがあります。

以下に代表的な治療薬と副作用の例を示します(これらは必ずしもすべてのダウン症の人に必要なわけではなく、特定の症状がある場合に限られます)。

【1. 甲状腺機能低下症】

甲状腺の働きが低下することが多く、ホルモン補充によって代謝を正常に保ちます。

  • 治療薬:チラーヂン(甲状腺ホルモン製剤)
  • 副作用:動悸不眠、体重減少など(過剰投与時)

【2. 心不全・先天性心疾患】

心臓病がある場合は、薬で心臓の負担を軽減し、必要に応じて手術も行われます。

  • 治療薬:利尿剤(フロセミドなど)、ACE阻害薬(エナラプリルなど)
  • 副作用:低血圧、電解質異常、腎機能障害など

【3. てんかん】

特に乳児期の「ウェスト症候群」と、成人期以降の「ミオクローヌス発作や全般発作」が多く、それぞれに適した薬が使われます。

  • 治療薬:抗てんかん薬
  • 副作用:眠気、ふらつきなど


ダウン症の治療は「薬物治療」よりも、「医療的管理・発達支援・家族と社会のサポート」が中心です。薬はあくまで必要に応じた補助的手段であり、医師の指示のもとで適切に使用しましょう。

公開日

最終更新日

宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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