ダウン症の老人が少ない理由について教えてください。
ダウン症の高齢者が少ないのは、過去に寿命が短かったこと、現在も特有の健康問題があるためです。
ダウン症の高齢者が少ない理由は、医療技術が発展したのが比較的最近であり、寿命が短かった時代が長かったこと、加齢に伴うダウン症特有の健康問題を抱えていることなどが挙げられます。
20世紀の初頭から中盤にかけ、ダウン症の人々は多くの場合、先天的な心疾患や、消化器疾患、呼吸器疾患、感染症などにより、若くして命を落としており、高齢に達することはまれでした。
近年では医療の進歩や福祉支援の充実により、ダウン症の人々の寿命は延びています。
特に心臓手術や感染症の治療が進んだことで健康問題が改善され、ダウン症の人々の寿命は60歳以上に達することが一般的になりました。
しかし、これは比較的最近のことであり、高齢者の人数は依然として少ないのです。
また、加齢に伴うダウン症特有の問題もあります。例えば、ダウン症の人の多くは40歳以降にアルツハイマー型認知症を発症するとされ、50歳を超えると有病率は70%以上ともされています。
心疾患や生活習慣病の合併も増加するほか、もともと筋緊張が低い傾向があるため、歩行障害や転倒リスクが高いことも問題です。
これまでダウン症の人々が高齢になることは珍しかったため、ダウン症高齢者を支えるための福祉サービスや医療支援が、まだ十分に整っていないことも影響している可能性があります。
医療や福祉の進歩により、今後はダウン症のある高齢者が増えることが期待されます。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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