ダウン症の場合、主にどのような治療をしますか?
現時点で根本的な治療はなく、合併症への対応と発達支援により、生活の質を高めることが主な治療です。
ダウン症(ダウン症候群)そのものを「治す」治療は、現在のところ存在しません。
ダウン症は染色体異常によって起こる先天性疾患であり、その遺伝的な原因自体を根本的に取り除く治療は、現時点で実用化されていないためです。
しかし、ダウン症のある方が、健康に生活するための対症療法的な治療や、発達を促し、社会的に自立するための支援的な療育は非常に重要であり、幅広い領域にわたります。
まず、医療的な治療としては、合併しやすい疾患への対応が中心となります。
主なものは、以下の通りです。
- 先天性心疾患(約半数に見られる):手術を含む心臓治療
- 甲状腺機能低下症:ホルモン補充療法
- 視力や聴力の異常:眼鏡、補聴器、外科的治療
- 感染症予防:ワクチン接種
- 消化器の異常:外科的処置や栄養管理
また、ダウン症のある子どもは発達がゆっくりな傾向があるため、以下のような発達支援や療育を、早期から受けることが推奨されます。
- 理学療法(PT):運動機能の発達を促す
- 作業療法(OT):手先の動きや日常動作の獲得を支援
- 言語療法(ST):言葉やコミュニケーション能力の支援
- 特別支援教育:学習や社会スキルの習得
保護者や家族への心理的・社会的支援も重要です。
地域の支援団体、医療機関、行政の相談窓口などを活用することで、生活全体の質(QOL)を高めることができます。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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